和紙入れ

2016.06.28

国宝クラスの絵画の修復も手がける表具師のKさんから頼まれていた和紙を入れる棚を設置してきました。
繊細な手の動きなのにロックな印象は相変わらずで格好良いのです。
ただいま手掛けているお仕事も興味深く拝見させて頂き、とても良い時間でした。
ありがとうございます、Kさん。
家具のメンテナンスが必要な時は、気軽に呼んでくださいね。

Kさんこんにちは。

2016.06.27

水戸のKさんのところにダイスケさんがメンテナンスと写真撮影に行くというので、私も一緒に。
私が目することができるのは、打ち合わせから形が決まり、材料から家具ができあがるまで。
取付や作業にまで一緒に行ける機会はなかなかないので、皆さんの暮らしの中に私たちが作らせて頂いた家具がどのくらいそこにあっているのか、馴染んでいるのか、分からないこともがあったりするまま、ダイスケさんやみんなが見聞きしたことだけでしか私には分からないことも多くて。
今回のように作業に同行して、家具の点検と、その使っている様子を拝見させて頂くと、お客様の声を実際に聞くことができて、自分たちがしている仕事を実感できるのでとてもうれしいです。
奥様はお仕事で、残念ながらお会いでませんでしたが、ご主人様からいろいろとお話を聞くことができました。

「週末はね、いつも毎食僕が食事を作るのですよ。」とご主人さま。
「妻はどちらかというとさっぱりしていて、要らないものは減らしていってしまうタイプなのですが、本当はもっと料理に使うお皿がほしいって僕は思っているのです。(笑)」

Kさん、ありがとうございました。

植え替え

2016.06.25

以前うちに勤めていたスタッフMさんのご家族が茅ヶ崎で営んでいた雑貨屋さんを閉めることになった時にディスプレイされていたベンジャミンを引き取らせていただいたのです。今の家になってからずっと一緒に暮らしています。ほったらかしにしてしまっているのに、今でも元気でいてくれてとてもうれしい。もう16年位になります。久しぶりにおとうさんがお休みの今日は、こども達と一緒に根をきれいにして土を替ました。ハルカが生まれる前から一緒にいるガジュマルの木も一緒に。木に護られて暮らしていることを実感します。

路地

2016.06.23

鎌倉まで。
夏にチェリーのキッチンを設置させていただく予定のYさんの現場で監督さんを交えて打ち合わせ。
階下からインディジョーンズのようなバリトンボイスが聞こえてきたところでYさん登場。
久しぶりに聞く良い声。
お早うございます。

Yさんは、ご夫婦お二人で設計のお仕事をされているので、プランについてはもう決まっていましたので、あとは現場の床に監督さんと墨出しして、それから搬入のことを打ち合わせ。
車が横につけられない立地なので、少し離れた通りに車を止めてそこからみんなで運ぶ段取りです。
そして、3階までL型のステンレスの天板を運ばなくては。
どうやってうまく進めようかな・・。

節アリナラ材とステンレスヘアラインのキッチン

2016.06.21

20160621002ふとしたご縁で楽しいつながりになっていきそう。
Hさんの新しい住まいに作らせて頂いたキッチンに光る真鍮のハンドル。かなぐやさんの作品です。
展示会で見てひとめぼれしていたのです。いつか使いたいなあって思っていたらHさんの学生時代の同級生だったとのこと。
うっかり忘れたパーツがあるので、今度はそれを取付がてら、キッチンを使っている様子を見させて頂き、かなぐやさんのところまでお出掛けできるような相談をさせて頂こうかな。
出会いはすばらしい。

ナラ柾とアイアン

2016.06.15

2016061500220160615003201606150042016061500520160615006201606150072016061500820160615009昨年のクレミルにいらしてくださってから、半年が経過しました。あの時にお話ししていたSさんのテーブルと寝室に置くチェストとちょっとカラクリがあるベッドサイドキャビネットを本日ようやく納品してきました。
「今日が来るのをとても楽しみにしていました。(笑)」とSさん。
テーブルは、いつもの厚みよりも少し厚くナラ柾を使って35mmの厚みで仕上げています。アイアンは、オリジナルと同じデザインで、色もツヤを抑えた黒色で仕上げています。
今日にあわせて、プルーヴェのスタンダードチェアも用意してくださいまして、これは私もうれしい。
すてきな組み合わせを拝見させて頂きありがとうございます。

今回のテーブルもキャビネットやチェストも、斑がおもしろく流れるナラ柾を使った家具。柾目だから表情が大人しいかというと、そうでもなく、板目よりもジェントルな印象を受けます。
まるで家具たちがSさんの眠りを見守るように。

ラワンの魅力

2016.06.15

平成建設さんのデザインアトリエにお邪魔してきました。
玄関を入ってすぐに目に入るこのキッチンは、主にスタッフの皆さんが使うキッチンでもありますが、「お客様がいらっしゃることも多いので、その時にきちんとお見せできるキッチンにしたいのです。」というお話を頂いて、クルミの柾目材を使って作らせて頂いたのです。
そのキッチンを囲う壁面には最近ではあまり主役として見かけることが少なくなったラワン材が用いられています。その素朴な表情をうまく活用したい、ということで、ここでは、ラワンをオイルフィニッシュで仕上げております。
そのラワン材、今度お話頂いたキッチンと食器棚の大きな表情になりそうです。
ラワンを拭き漆で仕上げるその姿、楽しみです。

オーク材を使ったのステンドグラスとステンレスカウンターのあるカップボード

2016.06.13

家具を作る人と使う人というお付き合いだけではなく、いろいろなところで支えてくださったり、支え合ったりととても心強い方であるKさん。
家具屋さん、というよりはイマイさんとにこやかに呼んでくださるすてきな関係。
最初の依頼の時はまだお二人だったのが、今ではクリッと大きな目をした小さな子がそばに居て。
暮らしの節目にこうやって声を掛けて頂けるなんてありがたいこと。
こうして今があるいろいろな巡り合わせに感謝しております。
そのKさんに今回ご依頼頂いたのが、廊下からリビングに抜ける通り道になる場所に作るという食器棚。
ここに作ることが正解なのか、Kさんといろいろと悩んで、行っては戻りしながらようやくここに必要という形に辿り着いたのです。
一目ぼれの力強さも好きですが、回り道しながら辿り着いたその過程のほうが私は好きだったりします。
いろいろな角度で外からみつめてようやく本質が見えてくるような感覚。
そうして辿り着いたものは、それはもう大切なものでしょう。

チェリーの食器棚

2016.06.12

2016061200220160612003逗子のYさんの食器棚の設置がようやく完了しました。
耳が聞こえないYさんご夫婦との、本日に至るまでのやりとりはとても楽しく、うれしく、そしてとても勉強になりました。
それなのに、先週で取付を終わらせるはずが私たちの段取りが悪くて終わらず、今日まで掛かってしまって・・。
それでも「細かい部分まで丁寧に対応してくださってありがとうございます。」と言ってくださって。
とても有りがたい言葉を頂きました。
こちらの方こそいろいろとお手間を取らせてしまいましてすみませんでした・・。
また、何かありましたらいつでもメール下さいね。

帰りの海岸線は、梅雨の間にちらりとのぞいたお日様のため、大渋滞。
この先秋に掛けて、鎌倉、逗子、葉山とキッチンの製作が続くのでこの渋滞を走り続けることを思うと、そして夏に向けてうす着になった女性を多く見かけると、いろいろ悩ましいのでございます。

本日発売「モダンリビングNO.227」号に掲載されました!

2016.06.07

先日行われた第4回「ファンタスティックキッチングランプリ2016」の受賞作品が掲載されていまして、私達の名前もキッチンメーカーとして掲載されています!「モダンリビング」さんには以前にも製作したキッチンを掲載していただいたことはあるのですが、私たちの名前が出ることはないので、このような機会は本当にうれしいのです。
今回の特集は「キッチンは家具」。今オーダーキッチンを取り入れようと考えている方にも参考になるのではと思います。
ぜひ手に取ってご覧くださいね。

マーケットを終えて

2016.06.05

本日は、WATOWAさんにお声をかけて頂いて、出店させて頂いたFREA MARKET。なかなか都内でこのような機会に巡り会わないので、ドキドキと出店までは微妙な緊張がありましたが、終わってみると、とても良い経験ができてとても気持ちが満ち足りております。
今回の出店のメインには「現代手工業乃党」さんのエキシビジョンが開かれておりまして、そのそばで私たちもお店を開かせて頂いたので、自分たちの作品がプロフェッショナルな方々に見られることの照れのようなものや渋谷という場所柄私たちの作品がどのように見られるかのちょっとした不安な気持ちがあったのです。
まずは始まって間もなく、一緒に参加させていただいたとても心地よい喋りかたで聴く人を包んでくれる革作家の平山篤さん、若くして老練な魅力を醸し出す作品を出されていた陶芸家の畠山雄介さんともお話しさせて頂き、それぞれの物作りのスタンスや物作りを続けることの楽しさや大変さをお聞きして、みんな一緒の気持ちを持っていることにうれしく思い、その後少し気後れしながらメイン会場にお邪魔させて頂き、ご挨拶させて頂くと、皆さん2代目や3代目として、その先代の仕事を誇りを持って受け継いでいること、(私も同じく2代目です!)さらにはその手仕事にはもっともっと表現できる側面があって、それが正面に出せないと手仕事自体が廃れてしまう危機感をどこかに持っていて、その表現できる側面が正面に持ってこれるくらいの魅力がまだまだあるっていうことを、みなさんが一生懸命頭を悩ませながら生み出していることが分かって、とてもとてもうれしくなったのです。さらには、私も通ったICSカレッジオブアーツ出身で活躍されているアクリル作家の俵藤さんもいらっしゃることにとてもとてもうれしくなったのです。

こうして若い力で物を作っていくことが続いてゆくならば、この世の中はきっと良くなっていく。

キッチングランプリ受賞式に出席

2016.06.03

今年の初めに作らせていただいたZさんのキッチン。この度、リネアタラーラさんが主催する「キッチングランプリSHOW」のコンテストに入賞したという連絡を設計士の内田雄介さんから頂いて、アキコと二人で意気揚々と参加してきました。
Zさんと内田さんは、大学時代の同級生。
「知り合ってもう20年近くなるのです。」と微笑むZさんがとてもうれしそう。
そういう素敵な関係の中で私たちにキッチンを依頼してくださったお二人に大変感謝しております。
そして、今回このようなありがたい賞を頂けたことは偶然ではなく、住む人、作る人、その空間を考える人が頭を付き合わせて悩んで生み出した答えですから、きっとなるべくして選ばれたのでしょう。うれしいです。
これからも良い仕事に取り組んでいきます。
どうぞよろしくお願い致します。

クルミの食器棚

2016.06.01

2016060100220160601003荻窪のSさんのところへクルミの食器棚を取付に伺いました。スムーズに、無事に取付は完了しまして、Sさんからは「遠距離恋愛の恋人にようやく会えたって感じです。」って、うれしい言葉を頂きました。
最近は、杉並区でお仕事を頂くことが多いのです。来月もHさんのキッチン改修工事でこのあたりまで出掛ける予定です。
ですので、Sさん、またいつでも声を掛けてくださいね。
次にお会いできる時を楽しみにしております。

ありがとうございます。

FLEA MARKET at elephant studioに出店します

2016.06.01

ご縁がありまして、6月3日~6月5日まで行われます現代手工業乃党の展示会開催に伴って開かれる「FLEA MARKET at elephant studio」に6月5日のみ出店させていただけることになりました!
以前より、「そちらの雑貨を都内で見られるところはないのですか?」とお問い合わせをいただいておりました。
ご興味のある方はこの機会にぜひいらしていただければと思います。よろしくお願いいたします!
FLEA MARKET @ elephant STUDIO 3F
開催日:2016年6月3日(金) ー 5日(日) *私たちは6月5日のみの出店となります。
時間:12:00 – 20:00 
住所:東京都渋谷区渋谷2-7-4-3F
写真は製作中のiPhoneスタンド「sofa」。

鉄の脚

2016.05.31

タカハシさんから写真が届いた!
第3作目となる今回の脚もオリジナルと同じデザインで、色も同じツヤのないブラックで仕上げます。
「塗装屋さんがいつも苦労するんだよね。」とタカハシさん。
吹き返しがなるべく付かないようにするには大変な形ですものね。
仕上がりを楽しみにしております!

ウェブサイト更新

2016.05.30

中古戸建を改装して、こじんまりした小屋のような温かなキッチンに
ほんとうに手づくりの家だって印象が良く出ていてとても温かみのあるOさんのキッチンのお話と、

2階のキッチンリフォーム。コの字型の使いやすいキッチンの提案。
いろいろな出会いがあった越谷の旅をつづったOさんのお話と、

マンションのキッチンを有効に使えるような食器棚の提案キッチンをあらためて美しく、使いやすい場所へと変えることができたMさんのお話の3つの製作例を掲載致しました。
よろしければご覧になってくださいね。

いろいろなものを「再発見」

2016.05.30

「ナラとステンレスの食器棚と物入リフォームのオーダー」

鶴見 M様

design:Mさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:hideaki kawakami
painting:haraki tosou

マンションのキッチンを有効に使えるような食器棚の提案

設置した背面の壁よりも大きく作ったカウンター。壁に沿ってL型になっているのが分かりますでしょうか。

「FREE HAND IMAI様
はじめまして。Mと申します。
マンションへの引っ越しに伴って食器収納棚の購入を検討しています。
既製品も選択肢としては残っているのですが、IMAI様のウェブサイトの製作例がとても素敵でしたので相談に載っていただきたいと思いメールさせていただきました。
イメージが固まりきっていない部分もありますが、購入を検討しているのは以下の2つの家具となります。
それぞれにご提案を頂ければと思っています。
* 家具をオーダーするのは初めてなので、不足している情報があればご指摘ください。
* 直接お話した方が早ければ工房に伺いますので、その旨をご連絡ください。週末であれば調整可能です。

(1)キッチンボード
・サイズは、幅125cm、高さ220cm(天井まで)、奥行き45cmです。
・床面に合わせた木目調にしたいと思っています。
・イメージとしてはゴミ箱と炊飯器を下部におさめる形にしたいと考えています。※ スペースが少ないので縦に収まると良いかと思っています。
・妻の身長が高くないこともあり下段にも食器をしまえるスペースが欲しいので、下部分を若干高めにしておきたいと思います。(95~100cm程度)キッチンの高さとずれてしまうのは良くないでしょうか。。
・ボード部分には電子レンジとトースターを載せるつもりです。
・収納部分は引き出しよりも普通の棚を多くしたいので、引き出しは下部分に2段程度が良いと思っています。
・上部は通常の棚で良いと思っていますが、壁が見える方が部屋が広く見えるので最終的には上戸棚なし or 上は小さい飾り棚のみになる可能性もあります。

(2)カウンター下収納
・サイズは、幅250cm、高さ81cm(カウンター下まで)、奥行き17cm(カウンターの板部分まで)です。
・デザインイメージとしてはキッチンボードに合わせたいと思っています。
・主にグラスや小皿などをしまうつもりなので、奥行きはそれほど必要ありません。
・全面を板扉にすると圧迫感が出てしまうようであれば、一部を飾り棚等にした方が良いかと思っています。イメージとしては「あたらしい形」港北のHさんが近いです。ただ、妻の要望でガラス扉は避けたいと思っています。
・基本的には食器・カトラリー用の棚として利用するつもりですが、ノートPCの収納場所があると嬉しいです。奥行き的には難しいと思うのですが、引き出しに立ててしまうようなことは可能でしょうか。
以上、よろしくお願いします。」

Mさんからのお問い合わせのメールが届きました。
すごくしっかりとした要望をお持ちなのだな、と思って読ませて頂いたのですが、あとからお聞きしたのですが、私たちのことを気に入ってくださっていたのは、最初はどちらかというと、奥様よりもご主人のほうだったのだそうです。私たちのように家具というジャンルだと女性に気に入ってもらえる機会は多いのですが、男性に気に入ってもらえる機会が少し少ないので、こういうお話はとてもうれしかったのでした。

マンションのキッチンを有効に使えるような食器棚の提案

そのカウンターが奥に回り込んでいる部分。

さっそく、頂いたご要望を元に図面と御見積を作成して、ご意見を伺います。

「おはようございます。Mです。ご返信、ありがとうございます。
可能でしたら、直接お話する機会があれば嬉しいと思っています。
2月の週末でお時間を頂くことは可能でしょうか?
当日は電車で2名で伺う予定です。
未だに想いが固まっていないところもあってお手間をかけてしまうかもしれませんが、色々とお話を伺うのを楽しみにしています。」

と、最初のプランを見て頂いて、一度こちらまでいらして下さることになったのです。ありがとうございます。

マンションのキッチンを有効に使えるような食器棚の提案

カウンターはトップのみステンレスにしています。木口部分はナラ材を見せているので、すべてステンレスでできたカウンターよりは温かみのある仕上がり。

そして、「こんにちは。」と、まだお若いお二人がお見えになりました。
若いって良いです。いろんなことがとても楽しそうで、本当に楽しそうにいろいろなお話をしてくださいます。
そして、キッチンの内容もほぼ決まって、悩んでいたカウンター下収納は、本当に必要かどうかを検討することになり、ふと、キッチンの物入れのお話になりました。
キッチンの端に間取りの都合上できたスペースなのか、けっこう間口が狭くて、奥行きが深い方開き扉の収納があるのです。
「食器棚に入れるものと、この物入れに入れるものとでうまく分ければ、それなりの収納量がありますですね。」とお話すると、実はここが使いにくくて、と奥様。
「幅が狭いのに、奥行きが深いから、奥までものを入れても取り出しにくいし、あまりきちんと使えている感じがしなくて・・。」
なるほど。我が家もマンション住まいなのですが、確かに「間取りの都合上、作っておいた」というような使いづらい収納場所があります。ただ、洗面室にある場所なのでタオルなどのかさばるものを入れられるため、物の出し入れが大変しにくいわけではないのですが、少し窮屈な場所なのです。
それがキッチンにあるとなるともう少し使いにくいかもしれませんね。
「うん、ここは少し使いにくそうですね。それならここをうまく使いやすく作り変えることもできますよ。」というお話をさせて頂くと、奥様の目がキラキラ。ご主人もそれは良いですね、と。
それから、このスペースをどう使いやすくするかいろいろと検討していきます。下からどのくらいまでを引き出しにして、どのくらいを棚板として残すか。食器棚とどう合わせたら良いか。
おいおい、急に話に乗ってきたなあ、という感じでにこやかにみつめるご主人。
そのやりとりを見ていると微笑ましく、うらやましい。

マンションのキッチンを有効に使えるような食器棚の提案

引き出しの様子、その1。

マンションのキッチンを有効に使えるような食器棚の提案

引き出しの様子、その2。

マンションのキッチンを有効に使えるような食器棚の提案

引き出しの様子、その3。

マンションのキッチンを有効に使えるような食器棚の提案

その引き出しの下に置かれているゴミ箱。

マンションのキッチンを有効に使えるような食器棚の提案

食器棚の吊戸棚は、カゴをうまく使って収納しやすくしています。

そうして、いろいろお話した結果、食器棚と物入れの改装をさせて頂くことになりました。楽しいお仕事になりそうです。
家具の形自体はシンプルです。上下に分かれた食器棚で、今まで使っていた市販の食器棚のカウンターとほぼ同じサイズで使い勝手も同じように考えておりますので、使いやすい形になっていると思います。そこに今回は吊戸棚を増やしているので、収納量もある程度増えました。
今までの市販のカウンターから大きく変わったのは幅です。今までは、この食器棚の設置スペースに合わせたサイズの物をお使いだったのですが、今回は、吊り戸棚は設置できる背面の壁の幅に合わせていますが、冷蔵庫を置くスペースの幅に余裕があったので、カウンターはもう少し伸ばすことにしたいのです。
簡単に言うと背面の壁の幅よりも大きく作っているのです。そして、その壁に沿わせるようにカウンターをL型に製作して、変な凸凹感が出ないように納めています。
物入れの方は、奥様の背が届くところまでを引き出しとして、あとは今まで通り可動棚が入っている形を残すようにしました。
そして、吊り戸棚の高さと物入れの扉の高さを揃えることで見た目の印象も揃えて。
これで完成です。
きれいにまとまりました。

マンションのキッチンを有効に使えるような食器棚の提案

こちらが、物入れ。元からこのような納まりだったように見えますか。そう思ってもらえたら私たちの勝ち!元は白い細長い1枚の扉があったのです。

その後、奥様からお便りを頂きました。
「今回の戸棚はどちらかといえば夫の方が乗り気で、素敵なのはウェブサイトを見てすぐに分かったのですが、金額に若干腰が引けてた(?)ところもありました。
ただ、奥深いパントリーの引き出し案をいただいたところから、実用的な意味で非常に期待しており、(平たくいうと、テンションが急にあがり)最終的にはビジュアルや諸々、全部非常に満足しています。
お願いして本当に良かったです。
1点想定外だったのが、収納容量が増えるかとおもいきや、意外に増えた「感じがしない」という点です。
これは完全に私達が原因でして、以前使いづらいことを理由にひたすら詰めていた収納から、棚を作ってもらうことによってキレイに収められるようになったことの唯一の短所なのだと思います。
今回一度全部取り出してみて、すっかり忘れていたいろんな物を「再発見」することになり、見やすく使いやすい収納というのは空間が必要なんだよということが身にしみました。
そもそも我が家は食品関係のストックが多くというのもあります。。
物の量を考えるきっかけにもなったので、もう少し時間をかけて使いやすいよう整理していこうと思っています。
今回は本当にありがとうございました!」

マンションのキッチンを有効に使えるような食器棚の提案

下段には、ボトルをしまいたいということで、深めの引き出し。奥行きがあるので、かなり入ります。

マンションのキッチンを有効に使えるような食器棚の提案

引き出しを開けた奥に、棚ダボの穴がボツボツ開いているのが見えますね。あれが以前棚が入っていた時の名残ですね。

こういうきっかけから暮らしかたが少しずつ良い方向に変わっていくこと、素敵なことです。
また次にお会いできる時を楽しみにしておりますね。

ナラとステンレスの食器棚と物入リフォーム

費用につきましては、お問い合わせくださいませ。

家をつくり続ける

2016.05.30

「タモ材とステンレスヘアラインのオーダーキッチン」

横須賀 O様

design:Oさん
planning:daisuke imai
producer:tatsuya suzuki
painting:Oさん

中古戸建を改装して、こじんまりした小屋のような温かなキッチンに

キッチン全体の様子。この空間全体の雰囲気と言い、Oさんが塗った色の質感と言い、懐かしく温かみのある印象です。

「実はね、葉山のNさんからイマイさんのキッチンのお話を聞いて、ぜひお願いしたいなって思っていたのです。」とOさん。
Nさんとは、「アフタヌーンソング」のNさんでした。なるほど、OさんもNさんのような雰囲気をお持ちだ。
「Nさんのおうちって広い土間がありましたでしょ。そこにいろいろな作家さんを呼んだりして、お料理の先生を呼んだりして、看板はないけれどちょっとお店のような感じになっているんですよ。私もそこに良く遊びに行かせてもらっていて、それでイマイさんを知ったのです。」
「そうでしたか。」

中古戸建を改装して、こじんまりした小屋のような温かなキッチンに

「冷蔵庫のほうに水が流れちゃったり、物が落ちちゃったりするといけないので。」ということで左の側板は、ステンレスカウンターよりも少し立ち上げています。

そのNさんのキッチンはなかなかどうして思い出深いのでした。お知り合いの銅作家さんが作ったハンドルを組み込んだり、Nさんが暮らしはじめて半年くらい経った頃かな、バックパネルの接ぎ板が大きく動いてしまって、あまり逃げを作っていなかったために、シンクの上の小さなカウンターがグイッと持ち上がってしまってなかなか修正することが難しかったり、ご主人が日曜大工で作ったというバルコニーのウッドデッキが本格的でとても良い印象だったり。いろいろと思い出深く、勉強になったお仕事だったのでした。

中古戸建を改装して、こじんまりした小屋のような温かなキッチンに

シンクと水栓の様子。

「そうでしたか。それなら私たちのキッチンのことを何となく分かってくださっていることと思いますので・・。」と、そのような感じで打ち合わせが始まりました。
頂いたスケッチを元にいろいろとお話を膨らませていきますが、Oさんの思い描くキッチンは至ってシンプル。Nさんと同じようです。
どこか懐かしい昔の台所。そんな雰囲気にまとまりつつありました。
そうしていくつかのプランの変更を重ねて、形がおおよそまとまりました。

中古戸建を改装して、こじんまりした小屋のような温かなキッチンに

今回特別に作った水切りプレート。いつもの形だと、シンクに段をつけて、水切りプレートを置いた時に、プレートがカウンタートップとフラットにするような納まりにするのですが、今回O参はシンクの段につく水あかがイヤなので、シンクはストンとシンプルにして、水切りプレートは普段は立てておくので、出っ張りが少ないような薄いデザインにしてほしいということで、このような形となりました。

「諸々了解いたしました。ご丁寧に説明してくださって、ありがとうございます。また、納期の件も了解いたしました。
秋には住めればいいなあ」という漠然とした希望は伝えてありますが、実はまだリフォームの具体的な日程が出ていません。ご迷惑をおかけして、申し訳ありません。
8/3(月)に工務店さんと打ち合わせをしますので、そこでだいたいのスケジュール感がわかると思われますが、ひとまず、キッチンに関してはできることから進めていただきたいです。・・・こんな感じのお返事でも大丈夫でしょうか??」

中古戸建を改装して、こじんまりした小屋のような温かなキッチンに

引き出しの様子、その1。引き出しもワトコオイルの「ダークウォールナット」色で塗装をしています。

ご新居は新築ではなく、今の住まいを改装するということで、また今住んでいるところは今しばらくいられるようですので、どこかのんびりとお話が進んでいきます。
それでもプランはほぼまとまって、工事もようやく始まりそうという頃になりましたので、まずはその家を見ておこうということでお伺いすることに。

中古戸建を改装して、こじんまりした小屋のような温かなキッチンに

引き出しの様子、その2。

住所を辿って走っていくと、懐かしい場所でした。
以前、キッチンを作らせて頂いた「みどりをかりる」のSさんのおうちの近くから山を登った中腹あたりがOさんの家がある場所。Sさんもとても雰囲気のある方でとても雰囲気のある空間だったなあ。
みんなどこかでつながっているのかな。

中古戸建を改装して、こじんまりした小屋のような温かなキッチンに

引き出しの様子、その3。

ここを進んでいいのっていう道をゆっくりと登っていくと、数件の家がまとまった一角があって、そのてっぺんにOさんが手に入れた家がありました。
家というか、山小屋のような(変な言い方ですみません・・。)雰囲気のある家です。
「イマイさん、いらっしゃい。」と、Oさんが玄関を開けてくださいました。
「ちょうど雨が上がりましたね。」

中古戸建を改装して、こじんまりした小屋のような温かなキッチンに

扉を開けた中はこのような感じ。中まで塗るとやはりどこか懐かしい感じ。でも、しばらくは風通しを良くしておかないと、ワトコオイルの甘い匂いが残ってしまいますのでご注意を。

先ほど、ボトボトと車のガラスをたたいていた雨粒はもう上がって、代わりに山の木々の間からうっすら煙のように蒸気が立ち上って、あたりがゆっくりとモワッとしてきました。
薄暗い工事前の室内にある大きな開口。ここから向かいの山が大きくリビングに映り込んで、清々しい色と少しモワッとする風が部屋の中に入ってくる、そんな素敵な家でした。
この景色がね、今でもはっきりと覚えていてとても美しいのでした。

中古戸建を改装して、こじんまりした小屋のような温かなキッチンに

ガスコンロは、ハーマンのプラスドゥ。

「ここはね、築40年くらい経つ家で、もう傾いてしまっているのですよ。建て替えも考えましたが、この家のが素敵でしたのでジャッキアップして、床下から補強して中を最小限きれい工事して住むことにしたのです。」
なるほど。
「そしてここがキッチンになります。」
昔のシステムキッチンがついたままになっていてとても趣がある場所。ここに私たちのキッチンが入るとどんな感じになるだろう。

中古戸建を改装して、こじんまりした小屋のような温かなキッチンに

コンロの下も開き扉。このスペースは良く引き出しにしたり、金属でできたスライドワイヤーシェルフを組み込む方が多いのですが、Oさんはシンプルに扉。「入れるものは、大きなお鍋とかフライパンとかなので、それほど奥までしまい込んだりすることがないから、扉で大丈夫です。」

「このキッチンを取ってしまって、このサイズよりも少し広くしたので、使いやすくなるかな。楽しみです。」
さて、いよいよキッチン製作の始まりです。

ところで、ここまで奥様と主に打ち合わせをしてきましたが、ご主人もとても魅力的なお人です。
プロのカメラマンでありながらも、Nさんのご主人と同じように日曜大工が大好き。
何かを生み出すことが好きな人って、どんなものでも作ることが好きなのですね。
その話はまたあとで。

中古戸建を改装して、こじんまりした小屋のような温かなキッチンに

調味料用の引き出しはギッシリ。

さて、いよいよ解体が始まり、ジャッキアップが終わって、内装工事が始まってキッチンの設置場所が見られるようになった頃、あらためて現場にお邪魔させて頂きました。
すると、どこかで見たような・・、似ている人が・・。と思って、室内に入ったところで、不意に「イマイさん、荻野です。」と声を掛けられました。
ああ、荻野さんだ。

中古戸建を改装して、こじんまりした小屋のような温かなキッチンに

ボトル収納部分もギッシリ。幅75cmタイプのガスコンロを組み込む場合、調味料とボトルの引き出しはほぼこのサイズになります。もちろん、希望があれば自由にサイズは変えられますよ。でも、これ以上小さくするとコンロが壁に寄りすぎてしまうので、小さくはできないのですが、大きくはできます。

数年前にやはり私たちのウェブサイトを見て家具をご依頼くださったハウスビルダーさんでした。今回はこのOさんの現場の手伝いということで、ここを仕切っていらっしゃったのです。
うれしいです、このような初めての土地でお会いできるなんて。荻野さんが監督さんなら、お話はスムーズです。
私たちはいつもお客様から直接キッチンのご依頼を頂くことが多いのですが、今までで同じハウスビルダーさんの現場になったことって数えるくらいしかなく、ほとんどがいつも初めてお会いするビルダーさんなのです。
その都度現場のルールのようなものが違っていて、現場の方々は気持ちの良い人が多いのですが、自分はそこではいつも新参者なのでなかなか気持ちを落ち着けて仕事ができなかったりしたこともありました。
だから、こうして知っている人のもとで仕事ができることがなんだかうれしくて、どこかでみんなつながっているのだなあなんて気持ちが軽くなったのでした。

中古戸建を改装して、こじんまりした小屋のような温かなキッチンに

レンジフードも懐かしい形。

そのようなわけで思い通りに大工さんの工事が終わって、私たちのキッチンもすんなり取付が完了して無事に工事は終わったのでした。
ありがとうございました、荻野さん。また一緒にお仕事させて頂ける日を楽しみにしています。

中古戸建を改装して、こじんまりした小屋のような温かなキッチンに

つなぎを着て、塗装を頑張る奥様。通常は、扉や引き出しをこのように取り外して、全体を紙ヤスリで磨いて塗装を始めます。このヤスリ掛けがなかなか大変で、翌日体が痛いです・・、というお客様も。(笑)

そして、お引越しされる少し前にあらためてきれいになったOさんのご新居にお伺いしました。
今回はキッチンの塗装をOさんご自身でされるということで、その塗り方を伝えに来たのです。
今回は、タモ材でキッチンを作らせてもらったのですが、タモはどちらかというと明るい黄褐色の樹種。Oさんのイメージはもう少し色が濃い感じ。でもブラックウォールナットとは少し違うし、コストも高いので、今回はタモを使ってそれに色をつけて仕上げることにしたのでした。
オイル塗装をお客様ご自身で行なうことって、最近は良く取り入れる方法なのですが、着色料の入ったオイルを塗るというお客様は初めてです。でも、オイルだからそれほどシミにはならないから大丈夫かな・・。
そう思っていたのですが、やはり初めての経験、Oさんけっこう大変そうで、なかなかコツをつかめずにいましたが、「大丈夫、イマイさん。頑張りますから!」と言って、着色料の入った粘度の高いオイルを一生懸命延ばして塗っては擦り込むように拭いていきます。
今回のOさんのキッチンですが、通常キッチンのなかって掃除がしやすいように、そして塗装しなくて済むように、そしてコストを抑えるために化粧板(もともとメーカーで塗装された状態の板)を使うことが多いのですが、Oさんは内部もタモが良いっていうことで、内側もタモで作らせて頂いたので、今回は外側だけではなく、内側も塗る必要があったのです。
塗装で大変なのは、出っ張っている部分を塗ることよりも引っ込んでいる角を塗ることです。
だから、外側よりも内側を塗るほうが大変なのです。
頑張ってください、Oさん。

中古戸建を改装して、こじんまりした小屋のような温かなキッチンに

この吊戸棚と下駄箱は、ワークショップでご主人とコバヤシ君が作ったもの。下駄箱は天地、側板が止でつながっているというなかなか日曜大工にはない高度な加工。(笑)ハンドルは、アンティークを扱うお店で手に入れた独特の表情で、これがとても良いのでした。

さて、お話は変わりまして、私たちは毎年の暮れにこの小さな工房の上にある小さなショールームで、「クレミル」という名前の展示会を開いております。顔なじみの作家さんの作品を持ち寄ってここを訪れる皆さんに見て頂いたり、私たちのキッチンがご縁で始まったパンを作る教室を開いているお客様からその美味しいパンを分けて頂いて、ここでちょっとしたカフェのようなものを開いてみたり。その中で、ワークショップも開いたのです。
そして、そこに参加してくださったのは、Oさんご家族。
お嬢さんは「端材で作る木のおうち」を選んで、奥様は「あまった板材で作る木のお皿」に参加して、ご主人は、「1日自由に木工機械を使ってみよう」に参加してくださったのでした。
そして、うちのスタッフであるコバヤシ君がその日はほぼご主人の専属の先生ようになり、なんと一日で大きな開き扉のある下駄箱と、引き戸のある吊戸棚を作ってしまったのです。
これは日曜大工以上の成果ですね。
ご主人も、「いやあイマイさん、ありがとうございます。本当に楽しかったです。これにもよろしくとお伝えください。」ととても晴れ晴れしたお顔でそうおっしゃっておりました。
「今度イマイさんがいらして下さる時にはこの家具をきちんと取り付けておきますので、ぜひキッチンだけではなくこちらも見ていってくださいね。」

あの時そうおっしゃっていたとおり、お邪魔させて頂いた時に、目に飛び込んできたのがその存在感のある玄関収納でした。
来るたびに何かが新しい、そんな印象を受けるのがOさんの家です。

「この前ノコギリで怪我をしてしまって。趣味のせいで仕事がしづらくなるなんて・・。(笑)」と苦笑いしながら、痛そうな手を広げてみせてくれたOさん。

「でも、楽しい!」

お二人の口から出る言葉は、この一言。
家をつくるのって楽しいって、Oさんにあらためて教えられたのでした。

キッチン仕上
天板 ステンレスヘアライン
扉・前板 タモ板目突板練り付け
本体外側 タモ板目突板練り付け
本体内側 タモ板目突板練り付け
塗装 ワトコオイル「ダークウォールナット」(Oさんが施工)

タモのステンレスヘアラインのキッチン

価格:910,000円(制作費、塗装費は施主様施工、設備機器は別途)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は30,000円から、取付施工費は100,000円から)

お母さんの台所

2016.05.30

「ナラ板目材とステンレスバイブレーションのオーダーキッチン」

越谷O様

design:wataru ytomiya/Oさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:masakane murakami
painting:haraki tosou

2階のキッチンリフォーム。コの字型の使いやすいキッチンの提案。

Oさんとお話しながらまとめてイメージ。基本的にお母様とお父様の二人暮らし(お嬢さんは既に家を出られて、この近くに住んでいるのです。)なので、お母さんが使いやすいようにコロニーのようなレイアウト。


2階のキッチンリフォーム。コの字型の使いやすいキッチンの提案。

シンク前のイメージ。

私たちがキッチンを作ることを仕事にしてまだ間もない頃、埼玉県のふじみ野というここからとても遠いところにご新居を建てるというKさんから相談を頂いたことがありました。
楽しんで、楽しんで」のKさんです。
今でこそ、キッチンとはどんなものかということがある程度は分かるようになりましたが、あの頃はまだ手探りでどうやったらスムーズにキッチンを作っていくことができるか、家具と違っていろいろな業者さんとどう関わってゆけば良いか、機器類に詳しくなるにはどうしたら良いかって、本当にいろいろ分からないことだらけでした。だから、頼んでくださったお客様にはとても感謝しておりますし、工事に関わってくださって協力してくださった業者さんにも本当に感謝しております。
みんな良い人ばかりで、物分かりのない私たちにきちんと教えてくださって。だからこうして今があるのだなあ、としみじみ思うのです。
そのKさんのお仕事をさせて頂いた時の施工会社さんが、当時トラストホームという名前でお仕事をされていた今の無添加住宅さんだったのです。

2階のキッチンリフォーム。コの字型の使いやすいキッチンの提案。

シンクの奥は、このような小さなカウンターをつけて、洗い場の手元が見えないようにしています。

その時に、設計士さんとして私たちと現場に間に入ってくださったのが建築士の富谷さん。
初めてお会いした時からとても魅力的なキャラクターの方で、何の分け隔てもなくお話ができる方で、素敵だなあってその時から思っていたのでした。
あの時が2008年でしたのでもう8年も前のお話です。8年間ずっとすてきだなって思っていたのですよ。トミヤさん。(笑)

2階のキッチンリフォーム。コの字型の使いやすいキッチンの提案。

浄水器の単水栓と水道の混合水栓。

そのような出会いがあった7年後に偶然無添加さんで家を建てるSさんのキッチンの製作に携わらせて頂ける機会があったのです。
その時は、たしかお会いできなかったのですが、お電話で、「いやあ、懐かしいですね。」と言いながらまるで古い友人に再開したかのようにお話しさせて頂いたのでした。
そして、その時に少しだけご相談を頂いていたのです。
「今度知人の水回りの改装を行ないたいと思っているのですが、ぜひイマイさんに、ぜひイマイさんにお願いしたいのです!」と。

2階のキッチンリフォーム。コの字型の使いやすいキッチンの提案。

シンクには、洗剤ポケットとその手前にパイプを付けました。

それはうれしいお話です。いつでも呼んでくださいねって、ご挨拶したら、すぐに呼んでくれました。(笑)
それじゃあ、トミヤさんに会いに行こうって降りた駅が北越谷。遠くまでやってきました。
何となくトミヤさんの面影は8年前の姿が焼き付いているのですが、その姿よりも声の大きさで「あぁ、トミヤさんだ。」と分かったのでした。近くでお話ししていると耳が痛いくらい!

2階のキッチンリフォーム。コの字型の使いやすいキッチンの提案。

シンク前の扉には、包丁差し(市販品)を取付。

「じつはね、イマイさん。私が若い時からお世話になっている美容院さんなんです。」とOさんを紹介してくださいました。
1階が美容院になっていて、2階からが住まいになっています。その2階にあるキッチンがとても不思議なキッチンだったのです。
「もうずっと使い続けているから慣れちゃったけれど、ここを建てた当時にキッチンはシンプルな有り合わせのもので良いです、って工務店さんに頼んだら、本当にシンプルな厨房用のキッチンを組み込んでしまって。それをどうにか継ぎ足し継ぎ足しで工夫して使ってきたのですが、そろそろ傷んできたので、それなら設計をやっているトミヤ君にお願いしようって思ったのよ。」
なるほど。とても面白いキッチンです。

2階のキッチンリフォーム。コの字型の使いやすいキッチンの提案。

シンクから、コンロへとつながる壁沿いのカウンターの下は自由に使いやすいように開けてあります。そして、ちょうどこの字の角になってしまう部分は扉にしています。

ここに住むOさんご自身はもう私の両親と同じ年くらいのお母様。お嬢さんが私たちと同じ世代。
だから、話がしやすいわけです。特にトミヤさんがあいだに入ってくださっているので、お話はトントンと進みます。
まずは概要をお聞きできたので、この日の課題を持ち帰ってキッチンのプランを作成し、あらためてお伺いします。
そして、またトミヤさんにも同席頂いて。
で、今回は大きな内装工事はナシということで、ほぼキッチンの交換のみということでしたので、トミヤさんが横で大きな声で雑談する中、Oさんとの確認が終わったところで、プランが決定。
「イマイさん、終わりましたね。良かったらご飯食べに行きましょう!」とトミヤさん。

2階のキッチンリフォーム。コの字型の使いやすいキッチンの提案。

こちらがコンロ側。コンロの下は引き出しではなく、大きな調理道具を入れるだけなので、扉にしています。

ありがとうございます。初めて会ってからまだ3回目くらいなのにとても隔たりなく感じられる人柄で、これならみんなに好かれるわけだよね、と後からこの時のことを思い出したのでした。

2階のキッチンリフォーム。コの字型の使いやすいキッチンの提案。

コンロの隣の調味料やボトルを入れる引き出しは、幅が狭くてもいろいろとしまえるコンパクトなワイヤータイプ。

そして、連れて行ってもらったところが、陶芸作家さんのお店。
実は作陶されているアトリエと、カフェがつながっている素敵なところがあって、ぜひイマイさんを連れていきたいって思ってくださっていたのだそうです。
でもその時はちょうどカフェは定休日で、その中を無理やり電話するトミヤさん。(笑)
陶芸作家さんが電話に出られたようで、「家具屋さんと一緒に伺いたいんだけど、コウちゃん大丈夫かな。」と大きな声でお話し。助手席で何となくお話を察する私。

2階のキッチンリフォーム。コの字型の使いやすいキッチンの提案。

コンロの隣の窓際は、食器棚。細かく引き出しにしています。

しばらくして、「イマイさん、大丈夫です。お昼はちょっと別のところになっちゃうけれど、ぜひそのお店に連れていきたいので。」とハリアーのハンドルをぐいと大きく切ります。格好いい!
私はどちらかというとお話しが苦手で、初めての人と何を話せばいいのだろう、と思いばかりが頭にいっぱいになってさらに押し黙ることが多いので、陶芸作家さんのようにクリエイターさんだと、よりどこか入り込みにくい人が多かったりするから、お会いしてもどうしたら良いだろう、と心もとなく思っておりました。

2階のキッチンリフォーム。コの字型の使いやすいキッチンの提案。

引き出しの様子。底付けのソフトクローズレールを使っているので、レールが露出しないですっきり見えます。その分底上げをするので、少しだけ深さを犠牲にするのですが。

「着きました。」と言って、車を止めてくれたのは、ドンと構えた陶芸作家さんのアトリエというよりは、どこかひなびた趣のある平屋です。
引戸を開けて中に入ると、待っていてくださったのは、私くらいの大きな男の人。トミヤさんとあいさつを交わすとその姿同様に大きな声。二人とも大きな声。

2階のキッチンリフォーム。コの字型の使いやすいキッチンの提案。

ダイニングから見た様子。

「ああ、イマイさん。はじめまして、飯高幸作と申します。」と温かな笑顔。一言でいうそれはもう朗らかで同じ空気を持っているように思える人でした。
だからね、最初に思っていたよそよそしい気持ちはもうどこかに行ってしまっていて、トミヤさんとイイタカさんとで、とても楽しい時間を過ごさせてもらったのでした。
(このご縁で、この日にはお会いできなかった隣のカフェkoushaのミヤザキさんや御徒町の有名のWOODWORKさんともお知り合いになることができたのです。そのお話はまたいつかの夕べに。)

2階のキッチンリフォーム。コの字型の使いやすいキッチンの提案。

キッチン内部から見た様子。

この時に、お話しして思ったのですが、家具や器、建築にしても作るのは人です。私たちはその作品にも大いに惹かれるのですが、一番強く惹かれるのはその人だと思うのです。その人の魅力が備わったものだから、その作品を愛することができる。その作品自体が強烈にその魅力を放っているものもたしかに存在しているのですが、その人やそのアトリエの手の跡や考えがつまったものだからこそ私たちはそれに触れたいと思ったり、そこに居たいと思うのです。
現に私は、イイタカさんと初めてお話しした途端に、その魅力に大いに惹かれてしまいました。一目ぼれですね。
作品の凛とした姿と、対照的な本人の温かさとその中にあるしっかりした展望。お話ししていると、物を作る立場としてとても勉強になるのです。
だからこのあと、アキコや娘たちも連れて、海老名(私の自宅がある町です。)から北越谷まで何度も通い、その作品を手に入れてはおいしいランチを頂くという小さな旅をすることになるのでした。

2階のキッチンリフォーム。コの字型の使いやすいキッチンの提案。

食器棚側から見た様子。

Oさんのお話から少しそれてしまいましたが、Oさんもまた大きな魅力があるお母様とお嬢さんです。さすがトミヤさんと仲が良いだけある。
美容院は、外観はすっきりとした印象なのですが、中に入るとご自身で仕上げたという塗り壁や木製の小物、ステンドグラスなどがきれいにちりばめられた気持ちの良いサロンになっているのでした。
ここなら気持ち良い時間が過ごせるな、とそういう印象です。
現に工事が終わった後にキッチンの写真を撮らせて頂くために、一度家族でお邪魔させて頂いたのですがその時に娘たちがこのサロンで髪を結ってもらって。
美容院で髪を結ってもらうという体験に二人ともはにかんで、うれしそうに気分良くしていたのでした。
経験や体験がその人を作る大きな要素になるんだなあとここでもうれしく思ったのでした。

2階のキッチンリフォーム。コの字型の使いやすいキッチンの提案。

最後にリビング側から見た様子。

なかなかキッチンのお話には辿り着きませんが、キッチンのほうはプランが確定したらいよいよ製作です。
今回は、ちょっと複雑に壁が出たり入ったりしている上に、板壁で入隅、出隅のところに大工さんが作った見切り材が打たれていて壁の凹凸が多いのです。
さらには天井はお嬢さんが仕上げた左官が表情よく(笑)凹凸が出ていて、ピッタリに施工するのがちょっと難しそう。
そしてさらにはキッチンパネルの代わりに、ステンレスを壁に貼ってほしいというご要望も。
さあ、頑張らなくては。

今回の工事はキッチン部分のみでしたので、私たちのできあがりのタイミングに合わせて、トミヤさんのお知り合いの大工さんが入ってくださって、各職方さんを段取りしてくださいます。
キッチン設置の当日の朝に、今の厨房のようなキッチンの撤去が行なわれ、配管を移動する工事が行われ、いよいよキッチンの設置です。
その日の午前中に解体が行なわれて、午後からはキッチンを設置する前に壁を仕上げておいた方が良いかと思い、先にキッチンパネルの代わりになるステンレスを壁に貼って行く段取りです。
既存の壁を一度すべて解体するのは大変なので、今の壁の上からステンレスを貼っていくのですが、元の壁に油膜が残っているところがあったりして、なかなかすんなりとは行ってくれず、さらには壁の直角も出ていない部分があるので、手間取ります・・。
予定時間をずれ込みましたが、どうにか仮接着ができました。
あとは明日までにきちんとついているように願うばかり。
そして翌日の搬入。今回は2階が台所でさらには複雑な形をしたキッチンを作ったので、屋内からの搬入は無理でして、バルコニーからどうにか揚げていきます。
上げるだけでなかなかの大仕事。
ひと息ついたら組み上げていきます。
通常私たちの家具は、工房で一度完成形に近づく形まで仮組みします。問題があればここで発見しておきたいからですが、このおかげで現場での作業時間も短縮できます。
そのようなわけで組み立てはスムーズに完了し、どうにか予定通りに工事完了。
そのあとに、水道屋さん、ガス屋さん、電気屋さんに入って頂いて配管工事を行ない、これですべて完了。
ひと安心です。

今回は古い戸建ての限られたスペースで、どのような動線で調理をするかをあれこれお母様と相談しながら考えていきましたが、きちんと使いやすいレイアウトにできましてひと安心。

また、何かあればいつでもお声掛け下さいね。
ちょっと遠いですが、このあたりはちょこちょこ訪れる機会が増えそうですので。

キッチン仕上
天板 ステンレスバイブレーション
扉・前板 ナラ板目突板練り付け
本体外側 ナラ板目突板練り付け
本体内側 ポリエステル化粧板「ホワイト」
塗装 ウレタンクリア塗装ツヤ消し仕上げ

ナラ板目材とステンレスバイブレーションのコの字型オーダーキッチン

価格:1,410,000円(制作費・塗装費、設備機器は別途)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は50,000円から、取付施工費は150,000円から)

ミラーを貼った扉のあるキャビネット

2016.05.28

20160527002少し変わった家具のご依頼でした。どこかのショールームで見たというミラー扉がアウトセットでスライドして開くキャビネットです。金物メーカーと相談して、ようやくできあがり。天板の天然石もひと癖あって、窓台とひとつながりになるように壁にのみ込ませていたりします。ひとまずここで私たちの工事は完了。
あとは洗面ボウルと水栓がついたら、終わり!

節アリナラ材のリビングボード

2016.05.25

いろいろとお世話になっているHさん。
最初に作らせて頂いたキッチンを見て、お友達が私たちを訪ねてくださったりして、すてきなコミュニティの中にいらっしゃる“まちがいのない人”のHさん。
そのHさんから続いてご依頼頂いたのがこのリビングボード。シンプルだけれど、荒々しい節が全体の表情の大きな特長になっています。
幅もね、もう少し逃げたつもりが、いざ設置してみるとピッタリで、これは良い!となったところで一つ大きな見落としがあることに気づき・・。
すみません、Hさん。次回できちんときれいに終わらせます!
よろしくお願い致します。

引戸のあるタモのダイニングボード

2016.05.20

2016052000220160520001町のイベントなどでいつもお世話になっているTさんのところにダイニングボードの納品に伺ってきました。バルコニーからの荷揚げのつもりで3人でやってきたのですが、やってみたら階段から無事搬入することができて、ホッとひと安心。今日はご主人にお会いできなかったので、ぜひまた家具を使っている様子を見せて頂きたいので、またお邪魔させて頂きますね。

Kさんのアトリエに

2016.05.19

昨日杉並から打ち合わせにいらして下さったHさんもお話をよく聞くと、テキスタイルのデザインを学校で学んだあとは、テレビという華やかな舞台を支える為のデザインを手掛けるお仕事をしていたそうですし、私がいつか使ってみたいと思っていた真鍮の金物を作っている作家さんもHさんのお友達だったりと、わたしたがこの仕事を始めてから、少しずつ物作りをする人とのお付き合いが増えてきました。とてもうれしいことです。
そして今朝はKさんのところに。Kさんは表具師さんで、古い日本画の修復も手掛けるすごい人。風貌を見ているととてもロックな感じなのですが。
そのKさんから3年ぶりにお声掛け頂いて、和紙をしまう簡単な棚を作ってほしいということで、アトリエにお邪魔してきました。
最初に作らせてもらったクルミの食器棚に、次に作らせてもらったクルミのテレビボードデスクがつながったようなカウンター。ご自宅の一角がアトリエになっているので、リビングというよりは、ここはもうワークスペース。
家具もきちんときれいに使われている、というよりは、仕事の道具としてガシガシと使ってくださっている。(笑)
その姿がうれしい。
そして採寸も早々に終えて、今取り掛かっているお仕事、日本に数えるくらいしかない貴重な浮世絵たちを見せて頂いて。
美術館でもガラス越しに見ている作品をこれほど間近で見らえるなんてワクワクします。

そんな懐かしくうれしい時間のあとは、懐かしいヤビツ峠に向かう途中にあるゴルフ場まで採寸。ちょっとしたお仕事を頂きまして。そのあとは大先輩の遊木工舎さんに立ち寄って、そのあとにダイニングチェアと現地の張地を頼んでいたアキオさんに立ち寄って会社に戻ると、みんなもゴニョゴニョと忙しそうにしています。
おかげさまで秋を迎える頃までは、皆様からいろいろとお声掛け頂いている家具の製作でいっぱいになっておりまして、こうしていろいろなところからすてきなご縁を頂けることに感謝をしつつ、ちょっと遅いお昼ご飯を食べるのでした。

お料理教室が始まったのでした。

2016.05.16

先日、鵠沼の静かな住宅地に作らせて頂いた独特の雰囲気に仕上がったMさんのキッチン。このキッチンを使ってお料理ができる日が早くもやってきました。
お引っ越し後にご挨拶に伺った時、「そのうちここで料理教室を開きたいと思っているのです。」って言っていましたね。
もうしばらく先のことかなって思っていましたら、つい先日ご連絡を頂きました。さて、恥ずかしながらご報告を。
「さて、恥ずかしながらご報告を。自宅キッチンでの料理教室をOPENしました。
まだまだ、始めたばかりなのでお友達が生徒様っというレベルですが何とか頑張って行こうと思っております!」

おぉ、それは楽しみです。
私も近いうちに教室の様子を拝見させて頂こうと思います。

アンドマンド
神奈川県藤沢市本鵠沼
http://mand2016.jimdo.com/