2016.09.09
ただいま、いつもの大きな家具製作と並行して少し変わった形の椅子を作っております。
近々リビングの家具を設置に伺うAさんからのご相談が始まりだったのですが、椅子は机の上だけでは形がまったく見えてこないもので、まずは作ってみましょう、ということで試作をしております。
背骨が美しい柔らかい椅子にしたいと思っているのですが、まずはどのような感じになるかな。
Aさんに気に入ってもらえなかったらどうするかって。
好みは人それぞれですものね、私もそこまでは分かりませんが、大丈夫です。
私はもうすでにお気に入りです。
2016.09.07
先日取れてしまった歯のつめものを入れてもらうために向かったのは、もちろん三好さん。
表からは歯医者さんと分からないような柔らかい外観のアプローチを進んでいくと、懐かしい再会。
三好さんの下のお兄ちゃんがたまたま私たちのウェブサイトを見付けてくれたおかげで始まったあの時のお仕事。歯医者さんの家具を作ると言う機会はなかったものですからとても楽しく良い勉強になったのでした。
あの時の、チェリーはもうあめ色に日焼けして、ロータリー挽きのメープルもあめ色になっておりました。ウレタン仕上げで陽射しが直接入らないこのような場所でも木ってどんどん変化します。
「あの、実はここの家具を作ったものなのですが・・。」と受付されている可愛らしい女性にお声掛けさせて頂き、写真を撮らせて頂きました。
(怪しげに見えなかったかしら・・。)
「おぉ、イマイさん。もう7年も経ちますね。」と、三好先生。お医者さんと言うよりはスポーツマンな感じの大柄な先生ですが、とても優しいお人柄で、つめものの他の相談にも乗ってくださいました。
「イマイさん、これは食いしばりですね。気づかないうちにギュって歯を食いしばっちゃっているんです。ほら、この歯の裏が盛り上がってきてるでしょう。」
ホントだ。
「力が入ってこぶみたいになっちゃうんです。放っておくと、もっとこぶが盛り上がっちゃいます。だから、もっとリラックスして、休む時はなるべく休んでくださいね。」
ありがとうございます。また何かありましたら相談に乗ってください、先生。
お世話になりました。
2016.09.06
無事、搬入・ディスプレイを終えました。
今回100名の手作り作家達が集まったこのイベント。
いつも通販サイトで見ていたものを手にとってご覧いただける機会です。しかも新宿伊勢丹で。
お近くにいらっしゃる方はぜひ遊びに来てください。
「Creema meets ISETAN」
9/7?9/12 10時30分?20時まで。伊勢丹新宿店7F催事場開催です。
(最終日は18時までです。)
2016.09.04
この春から秋に掛けて、これから湘南に住む予定のみなさんからのキッチン製作の依頼が重なっておりましたが、もうすぐでひと段落を迎えます。
昨日は、逗子の少し高い山の上にご新居を建てるMさんのキッチンの設置でした。
先日1階のキッチンと2階の食器棚の設置を済ませていたのですが、「タイルも梁終わりましたのでどうぞ。」とすばらしい建築をされる楽居の井上さんから連絡を頂きまして、取付に入らせて頂きました。
1100m×2700mmのコーリアンの天板は無事に屋内階段から揚げることができ、柱の細工も井上さんがあらかじめ加工してくださっていたので、無事に設置完了。
とここで、問題が・・。
一緒にご依頼頂いていた洗面質の吊戸棚。この戸棚と窓を開閉するクルクル回すハンドルが干渉してしまいクルクルならない・・。しまった、そこまで見落としておりました・・。
すると、井上さんの提案で、「もしかしたらこのハンドル、短いものがあるかもしれません。」と。
建具屋さんがちょっと調べてくださることになりまして、もしそういうものがあればOK。ない場合は吊戸棚の幅を少し縮めましょう、ということに。
次回その工事と、ガゲナウの食器洗浄機が現場に入ったら、もう一度施工に伺います。
引き続きよろしくお願い致します。
2016.08.31
以前に平成建設さんのショールームのキッチンを作らせて頂いた時にクスノキを拭き漆仕上げにしたのでしたが、今回はとても野心的な素材と言うべきなのか、懐かしい素材と言うべきなのか、ラワンを使ってキッチンを作らせて頂いたのです。昔の建物を見るとよくラワン材が窓枠に使われていたりして私は個人的にその古めかしい印象として好きなのですが、素朴な表情がなかなか遠慮されてしまう素材でもあります。
特に近年は、下地材として使われてしまうことが多いので、なかなか表には出てこない素材です。
それを仕上げ材として使い、漆で仕上げるというのですから、どんな感じになるかは私も見るまで楽しみでした。
取付は先日までにおおよそ完了していて、今日は、細かいパーツの取付と、スライドレールの調整などをしてきたのです。
「先日から見学会を開いているのですがとても評判が良いのです。」と今回このコンセプトを持って来て下さった設計の和知さん。
「とても良い仕上がりになって、私も塗っていてとても楽しいコラボレーションでした。」と塗師さんでもあり、大工さんでもある有賀さん。
みんなで形を考えて、私たちが作って、平成さんが塗って。
楽しく興味深いお仕事でした。
間もなくお引き渡しということでここでどんな暮らしになるのか、それも楽しみ。
平成さんとは、5年前に三島のKさんのキッチンを作らせて頂いた時に初めてお付き合いさせてもらってから早5年。みなさん、お若い方が多いこともあってとても柔軟で興味深い形作りを提案してくださいます。
だから、それにこたえるのはなかなか大変な部分もあるのですが、とても勉強になります。
今回もとても良い経験ができました。
ありがとうございました。
2016.08.28
しばらく前に奥歯の詰めものが取れたのです。これはいけないと思い、いつもお世話になっている三好さんに予約の連絡をしようと思ったのですが、なかなか仕事の手が空かず、(という言い訳なのかもしれません。)連絡をしないままでした。
それでは歯に物が詰まってしまう、と思いいつもよりもよく歯磨きをするようになり、ツルッとしていないとどこか気分が悪いと思えるようになってきたくらいです。
災い転じて福となったかどうかは分かりませんが、少なくとも歯をよりきれいにしたいって気持ちになることはできました。(早く行かなくちゃ。)
私たちの仕事は、どちらかというと必要とされる人からの相談があって成り立つもので、幸いなことに今まではいろいろな皆様から絶えずお話を頂いておりましたので、いつも忙しくさせて頂いておりました。
今なおありがたくお仕事を頂けているのですが、どちらかというと待っているようなスタンスで仕事に取り組んでいるこのままで良いのだろうか、そう思うことも時々あったのです。
そんななか,この1週間で懐しい二人の友人に会う機会があったのです。
二ヶ月ほど前に新しい会社を立ち上げてその内覧会を開くから見に来てくれないか、という誘いをもらっていたのですが、こちらの都合が合わず、先延ばしになってところ、ようやく予定があって先日の火曜日に会うことができた友人がいます。
高校時代からの友人で、ずっと建築の勉強をしていて、自分で設計事務所を開くことができて、そこからさらに自身の設計に自分の作ったものを導入したいという思いから、メーカーになることを始めたのだそう。
「設計の方は、ひとまず自分が思っていたところまでは進めることができたと思う。次は自分の設計の中に自分で作ったものを組み込んでみたいんだ。」
設計と、メーカーとでは勝手が違うから、大変なことが多いと思うのですが、頑張って欲しいと思いつつ、今の自分と少し先の自分をきちんとつなげていこうとする積極的な姿勢に彼の行動力に触発されるものがありました。
続いて金曜日にもともとインテリアが好きだったのが高じて、やはり建築士の資格を取って設計をしている高校時代の友人にあったのです。彼とは、先日キッチンを作らせて頂いたMさんの工事の時、たまたまその彼が勤めて会社さんが施工を担当してくれたのでした。それがきっかけでそのMさんのご友人のSさんのキッチンも今度作らせて頂くことになったのですが、その時の施工も同じその会社さんが行う予定なのです。
それなら、一度挨拶に行っておこうと思い、こうして今回彼に会う機会ができたわけです。
電話では少し話していたけれど、会うのは20年ぶりくらいです。でも、やはりあの頃の気持ちはそのままで高校時代と変わらない風貌や声に懐かしい気持ちでうれしくなったのでした。
「大学を卒業した後に大手のスーパーに就職したけれど、なんとなく、販売ではなくもっと自分で作る仕事をしたいって思ってさ。それからあらためて学校に行きなおして、建築士の資格を取って、それで今こうして設計の仕事をしているんだ。」とどこか誇らしげ。
この会社さんは、リフォームではとても名前が知れている会社さんで、その設計のスタッフは設計だけを受け持たせてくれるのだそう。
「設計以外の他の仕事を覚えることも大切なのだろうけれど、この仕事に専念させてくれるという環境はとてもうれしいんだよ。じゃあ、ダイスケ。飯でも行こう。」
そう言って昼ごはんを久しぶりに二人で食べたのです。
お腹がいっぱいになってひと心地ついている時、ふと彼が呟いたのでした。
「でもやっぱり同じ仕事を続けるというのは大変だよ。モチベーションを保つのがね。贅沢かもしれないけれど退屈に思えてしまうこともある。」
そうだよね、確かに自分でも時々そう思ってしまう時があります。
みんなの家具を作っている、と思っていても、同じ日々の繰り返しのように思えてしまうことがあります。
楽しい、という気持ちよりももっとつまらない思いが先に見えてしまうこともあります。
それでも、私も彼もその与えられた仕事の中で、最良を尽くすことが自分にとっての最善であると思いながら、悩みながら前を向いて進んでいくのです。
その最良の仕事を目指しながら、さらに少し先のことを見つめながら、前に進む新たな覚悟を持っていこう、とふと彼らにあってそんな元気をもらってきたのです。
そのもらって元気が、抜けてしまった詰めもののようにツルッとした歯のように次の新たなステップへのきっかけにしていこう、そんなふうに思った1週間でした。
こうして、夏の休みもきちんともらったし、友人たちからも元気をもらったし、これからは一層頑張らなくては。
ということで、本日は午前中に越谷のFさんの現場を確認して細かい打ち合わせを行なってきた後に、(夏休みじゃなければ、大好きなkoushaさんに立ち寄りたかった・・。)Houseゼロの大浦さんに声を掛けられて、二宮のMさんの現場を確認してきたのでした。
Mさんの現場の帰りに、ふとMさんがガレージに案内してくださって、大切に手を掛けている車を拝見させて頂いたのでした。
「んっ、写真、ブログに書くんだね。いいよいいよ。(笑)ちょっと変わったおじさんのキッチンを作ることになったって書いてくれていいよ。(笑)」
キッチンももちろん楽しみだし、次回またこの車を拝見させて頂けるのも楽しみです。
そのあと日も暮れてしまった頃、ようやく帰宅。
どうにか夕ご飯に間に合いました。
子供達ときゃあきゃあ言っていられるのも今日で終わり。
二人は明日からちょっと早い新学期が始まるし、私もアキコもまた忙しい日々が始まります。
頑張ります。
よろしくお願い致します。
2016.08.25
「土間」
内田雄介さん設計のリノベーションした家に設置させてもらったZさんの美しいキッチンの記事と、
「豊かな色」
Design Sourceの小林さんからのご依頼で作らせて頂いたドイツ人のオーナーさんの魅力的なデザインのキッチンの記事と、
「響く声」
歌い手さんでもあるYさんのキッチンを木で囲うことでとても魅力的な空間に変身挿せることができた記事の3つのお話を掲載しました。
2016.08.25
「ナラ板目のカウンター下収納のオーダー」
八王子 Y様
design:Yさん/daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:masakane murakami
painting:iku nogami
Yさんに写真に入ってもらいました。写真に入ってもらうと、みなさんぎこちなくなって照れ笑いされて。こうして使っているところを拝見させて頂けるのはとてもうれしいのです。
「はじめまして。Yと申します。来月、建売り戸建てに引っ越す事になりまして、後ろの食器棚とカウンター下収納をお願いしたいと思っています。
以前、今住んでいるマンションの食器棚を考えている時にこちらのサイトを知り、どれもとっても素敵でしたので、ずっとお気に入りに入れて眺めていました(^^)
まず、一つ目は食器棚です。
ただ、後ろに窓がありその隙間にも収納を作れたらと思っていますが、あまり幅がありません。
もし可能であれば、そこにカップ等を入れられる棚を作りたいです。イメージは制作例にありました、「山の春」(軽井沢O様)です。
もう一つは、カウンター下収納です。オープンキッチンになっていまして、手元が見えるのを隠したいと思っています。
手元を隠しつつ側面までぐるっと囲うような感じが希望です。イメージは制作例にありました、「おばさま」(町田I様)です。
また、主人の実家のカウンターの感じも好きなので、写真を貼付いたしました。
(散らかっている時に撮ったものでお恥ずかしいですが、、)
分かりづらいかと思いますが、手書きのスケッチを添付いたしました。是非色々と相談に乗っていただけたらと思います。
どうぞよろしくお願いいたします!」
実際に人が立っている場合と家具だけの場合とだと、写真から感じるその場の空気の伝わり方が違いますでしょう。
というとても勢いのあるメール(笑)を頂きました。うれしいです。
ご希望されている家具のサイズなどが分からなかったので、あらためてご連絡させて頂きましたら、さっそく一度こちらまでいらして下さることになりまして、まだ住むのはこれからとなるご新居の図面を拝見させて頂き、いろいろとお話をさせて頂きました。
今回はのメインは食器棚と言うお話でしたが、お話をお伺いすると私の個人的な思い入れとしてはカウンター下の収納のほうに気持ちが入ったのです。。そのキッチンは、ガスコンロまでが壁で隠れていて、シンクのあたりがオープンになっていてリビングを見渡せるというレイアウトのキッチン。そのシンクの向かい側がある程度空いているので、そこに収納を組み込みたいと言うのがYさんのイメージでした。こういう形で家具を組み込むお客様は多いのですが、それだけではなく、ここ最近は私たちの作るキッチンをご覧になって、全体的に木で囲われた温かみのある形にしたい、と言うお客様も増えてきておりまして、Yさんにも念のためそういう形ができますよ、ということをお話しさせて頂きました。
例えば、「整えて」のTさんや「あたらしい形」のHさんのような形です。
今あるキッチンとその周りの壁も木で囲うことで、木のキッチンのような印象に見せる、と言う方法です。
Yさん、この仕上がりをとても気に入ってくださって、さっそくこの方法で考えることに。こうすることで、キッチンの背面に作ろうと考えている食器棚がキッチン全体の印象と整ってくるので、この場所がまとまってくると考えています。
さて、どんな形でまとまるかが楽しみです。
ダイニングから見た様子。
木で囲う形と言っても、上の2件のお客様もそうですが、いろいろな納め方があります。キッチンのカウンターの小口をリビング側からも見えるようにしたい、という意見もあれば、全部木で囲ってしまいたい、と言う方もいらっしゃいます。
今回Yさんは木で囲いたい、さらに収納の上部には引き出しをつけたい、と言うご要望でした。
そうなると、その引き出しの上にさらに木の棒をつけなくてはきれいに納まらないから、それを人工大理石の天板にどのように固定しようか・・、できあがってこうして写真で見るととてもきれいに納まっているのですが、ここに至るまでが試行錯誤。毎回いろいろな課題に頭を悩ませながら、最良の形を見つけるのです。
そのような感じで、厚み40mmくらいある人工大理石のボテッとした小口をうまく隠して、引き出しの上にシャープな棒をうまく取り付けることができたので、リビングから見た印象はかなりスマートに納まりました。
システムキッチンとナラのサイドパネルの切り替わり部分の様子。
バックパネルのように見せた木の棒がキッチンからはこのように見えます。
家具と壁の納まり。天板の最上部の木口、側の木口(側板のように見せていますが、これは隙間調整材です。)を表に出してインセットの印象にすることで、より家具らしさが出たと思います。
そして、食器棚。
こちらはちょっと変わったスペースで、食器棚を置く場所の背面の壁に窓が広い面積を占めているのです。
こうなると収納を増やしたくても変な位置に戸棚をつけることになりかねない。そこで、実際にお部屋を見るまでは具体的な判断はできないのですが、まずは上と下の窓の間に細長い戸棚を作って、カップなどの良く使うものを置けるような棚のようなイメージで作ろうとYさんと考えていたのでした。
もしくは、「かぜがふわりと」のお客様のように、窓を遮らない形で戸棚を作るのも一つの方法かも、と考えていたのでした。
でも、実際にお部屋に入ってみて、またYさんといろいろとお話をしていくうちに、まずは吊戸棚は作らずに下のカウンター収納だけ作って、それでしばらく使っていってからどうしても収納が足りない、ということになったらまた考えましょう、ということになりました。
Yさんご家族がまだここで暮らし始めて日が浅いわけですし、まだまだ見えていない暮らしかたがあると思います。
毎日の過ごし方がひと段落して、自分の動きが分かってきたら、その時に声を掛けてもらえればそれで良いのだと思います。
対面カウンターの下の引き出しの様子。
引き出しの下の扉を開けた時の様子。扉の上面に手が掛かるように掘り込みを入れています。
人生で、何度も暮らし方が変わるって、誰がか言っていました。
家族で居る時の暮らし、一人の時の暮らし、結婚してからの暮らし、子供が生まれてからの暮らしかた、そして子供が巣立ってからの暮らしかた。
部屋の数も間取りもみんなの動き方もその時代時代で全然違ってくると思います。
その都度、私たちに声を掛けてくれたらそれがうれしいのです。
食器棚の引き出しの様子、その1。こちらの食器を分けているケースは、Yさんがご用意されたもの。良い印象です。
食器棚の引き出しの様子、その2。
食器棚の引き出しの様子、その3。
食器棚の引き出しの様子、その4。
そのようなわけで、今回は、家電を置いてゴミ箱がしまえて、食器がしまえる下の収納だけを作らせて頂くことになりました。
そして、家具取付の日。
とても良いお天気に恵まれたのですが、数日前まで降っていた雪がこの八王子ではまだまだたくさん残っていました。
そのような寒風が通りぬける中、窓を開け放して気持ち良く作業をさせて頂き、無事に設置工事は完了。
思っていた以上にまとまりのある場所が生まれました。
Yさんが使っていたダイニングテーブル(たしかタモだったかな)ともよく合って、気持ちの良い空間です。
その取付の帰りに、Yさんからお土産を持たせてくださいました。
「イマイさん、実はわたし、歌を歌っているのです。」
「おぉ。」
「今は、子供が小さいからちょっと活動をストップしちゃったのですが、歌を歌ったり、楽曲を提供したり、そういう仕事をしているのです。イマイさんのお嬢さんがダンスを習っているって聞いていたからもしかしたら、似た感じのテイストで聞いてもらえたらと思いまして。」
と、お土産の中に歌がつまったCDが。
「あぁ、そうだったのですね。何となく声が透る人だなって。うれしいです。是非聞かせてください!」
ブラバンシアのゴミ箱がその場でフタが開けられるようにクリアランスを確保したゴミ箱スペース。
とても気持ちがホカホカした帰り道。(もし、私たちのところでイベントを開いた時なんて、お願いしたら歌を聞かせてもらえるのでしょうか。)なんて気軽に相談してしまいましたが、家に帰ってYさんの声を聞いてみたら、そんな気軽に頼めるわけないって言うくらいの迫力のある透きとおった歌声。
これほど素敵な声の人にあのようなことを言ってしまったのか・・、恥ずかしいなと、一人リビングで顔を赤らめていたのでした。
丁寧に敷かれたこの樹脂シート。Yさんらしさが出ている部分のひとつ、と感じました。
ナラのカウンター下収納とサイドパネル
価格:330,000円(制作費・塗装費)
ナラの食器カウンター
価格:460,000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は30,000円から、取付施工費は60,000円から)
2016.11.17
「ナラ板目材とステンレスバイブレーションのオーダーキッチン」
国立 O様
design:Oさん
planning:Oさん//daisuke imai
producer:yasukazu kanai
painting:yasukazu kanai
太い門型のナラ材と、うすく浮いた印象のステンレスカウンターが特長的なかたち。
「細かなところまでの仕上がりや、素敵な写真の数々に見入ってしまいました。
キッチンは際限なくこだわり抜ける場所だと思いますが、「いかに機能的でその人の使い方に合っているか」という考えに共感しました。
ぜひ、詳しくお話を伺いたいと思っております。
しかし、肝心の物件が決まっていないので・・・希望としては年内着工!という意気込みはあるのですが。ご縁がありますことを願いつつ、カタログ到着を楽しみに待っています。」
ステンレスカウンターをなるべく薄くということで、今回は11mmに見せる形で仕上げました。
と言ううれしいお便りを頂いて間もなくお電話を頂いてこちらにいらして下さったOさん。
国立ということここから少し遠くになるのですが、実はこの寒川でご友人がレストラン(残念ながら閉まってしまいました。)を開いているということもあって、割と気持ちが近い感じでいらして下さった奥様。
とてもお話が楽しく、いろいろな暮らしのこと、そしてキッチンのことなどをお聞かせくださいました。
それでも、実はまだ新居は決まっていないのだそうで‥。(笑)
くわしく聞きますと、ここが良いという中古物件があってその方とお話を進めているのだそうですが、ただいまそのお話し合いが少し止まってしまっているようで、なかなか前に進みたくても進めない状況、なのだそうです。
「でも、新しい家にするならこの場所がとても良いと思っているのです!」と奥様の強い想いを聞かせて頂いて打ち合わせ終了。
こちらは水栓のレバーギリギリに寄せた洗剤ポケット。
でも、夢がかなった時にために、頂いたご要望をまとめて、図面と御見積をまずは作ってお送りしました。
「イマイ様
こんばんは、Oです。さっそくお見積りをいただいたのに、すぐにお返事できずに申し訳ありませんでした。
先日はわがままなオーダー(そしてとりとめのない話)を長時間聞いてくださり、どうもありがとうございました。
キッチンの実物を見て、丁寧な造り・仕上がりを確認することができ、また居心地の良いショールームでついついゆっくりしてしまいました。
奥様の優しいお心遣いにも感謝です。
そしてお忙しい中の見積もり、ありがとうございます。
いろいろと細かいことを好き放題話しただけなのにちゃんと形になっている!
と感動しました。
近況報告をいたしますと、やはりまだ物件は決まっておりません。
間取りをお持ちした物件についてはまだ交渉が進んでいるわけでもなくて売主さんからのアクションがないと何もできない状況です・・・。
それ以外にも他の物件を探してはいるのですが、なかなか見つからず。そんなわけで今すぐオーダーというわけにはいかないのですが、素敵なキッチンを夢見て家探し頑張りますね。
余談ですが、私も名前「ハルカ」なんですよ。あの後日記を読んでいたらビックリ。
今後とも、どうぞよろしくお願いしたします。」
こちらは長めのハンドルを使ったタオル掛け。
おぉ、それは、うれしいことです。
ぜひうちの娘もOさんのように美しい女性になれるように子育てを頑張らなくては!
引き出しの様子、その1。
引き出しの様子、その2。布巾を多くお持ちのお客様は多いですね。
それから、しばらくしました頃・・。
「こんばんは。
さっそくですがご報告です。
ここ数日で急に話が進み、新居の件が決まりそうです。
明日こちらの不動産屋さんから売主さんに連絡をとってもらって具体的なスケジュールは1週間以内に決まると思います。
物件が空き家なので引き渡しは遅くとも年内になりそうなのです。ということは、キッチンの納期がかなりタイトになってしまうのでは…と心配になり、取り急ぎご連絡を差し上げた次第です。
以前大体納期は1か月くらいで2月か3月に製作開始になりそうとイマイさんからお話を伺っていたので大変恐縮なのですが、お受けいただくことは可能でしょうか?
ちなみに、あれから熟考した結果、オーダーは「2列型キッチン(壁付けコンロ+アイランド部にシンク)」になりそうです。(「おいしいキッチン(Uさん)」や「ゆるりと回遊する」が近いイメージです)
イマイさんのお仕事を見ていると、急ぎのオーダーをすることが大変心苦しいのですが、せっかくご縁がありお話をさせていただきましたので、是非お願いしたいと思っております。
ご検討いただき、連絡をお待ちしております。どうぞ宜しくお願いします。」
と言ううれしいご連絡を頂いたのです。ただ、年末に向けてちょうど忙しい時期が重なっていて、さてうまく皆さんとのスケジュールを調整しなくては、と思いつつ、まずは具体的な話を進めなくてはと思いまして一度現場で打ち合わせることに。
ガスコンロは、ハーマンの+do。奥に移るカウンターは大工さんに作って頂いたもの。でも、やはり引き出しなどが必要ということで、あらためてご依頼頂けることになりました。ありがとうございます。
ご主人のお仕事が終わる時間に合わせて、冬の夜の国立に向かったのでした。
予定通り18時ちょっと前に中央線が目の前を走る風情のある路地で待っているとお仕事を終えた奥様がいらして下さいました。
さて、どんなお部屋かな。
さっそく上がらせて頂いたのですが、どうやら電気が止まっているようで、電気がつかない・・。
「あらら・・。とりあえずこの灯りで。」とスマートフォンの明かりで、部屋を照らして、時折中央線が下の方を通り過ぎる時にほのかに客室の明かりが入ってくる何というかとても雰囲気のある打ち合わせ。
と、お話を始めたところで、ご主人もお仕事を終えて、現場に到着。
こんな状況で良いのでしょうか・・。
「はじめまして。」
今までの打ち合わせは奥様と行なっていただけでしたので、ご主人とお会いするのは初めてなわけです。それなのに、ほとんど真っ暗な室内で、家具屋の大きな男と奥様が2人で打ち合わせをしているという不思議な状況。
「おっ、今晩は。」とご主人。
なんだか不思議な空気。
でも、このOさんご夫婦。お二人ともお話してみるととてもユニークで素晴らしく頼もしい方たちで、何だかこの不思議な状況でも楽しく打ち合わせが進んだのでした。
でも、結局この日は現状を確認して、あらためてご主人の意見も取り入れながらキッチンについてお話したほうが良いかな、ということになりました。
まずは、現地を見て搬入経路を確認できただけでもおおよその状況は把握できたので、今後のイメージはつかめました。
コンロの下は、スライドワイヤーシェルフ。
そして、再び年末にOさんご家族みなさんでこちらまで打ち合わせにいらして下さったのでした。
キッチンのプランはアイランドから2列になったセパレートタイプのプランに、そして、もう一度アイランドへとこの時点でこういう形でお話が進んでおりました。
予定を考えるともうそろそろキッチンのプランを決めないと工事、引越しのスケジュールが大きくずれ込んでしまう。ということで今日の打ち合わせでほぼ形を決める予定です。
そんな時に、ご主人が面白いアイデアを伝えてくださったのでした。
「そういえば、先日テレビでタレントさんの家を作っていく番組を見ていて、そこにちょっと変わったキッチンが出ていたんですよ。」
と言うお話をしてくださったのです。
いろいろとお話を聞いていくと、ちょうどその数日までに私もアキコから「ちょっと面白いキッチンがあるから録画(録画って今言わないのかな?)しておいたから見てみて。」と言われたキッチンでした。
タレントの坂上忍さんの家を作る番組で、キッチンを探している時に映ったのは、ブラックウォールナットでできた門のような印象のキッチン。
「それってあの番組のですね。」とご主人に伝えると、そうそう!
もともとダイニング側は、カウンターのようにして軽く食事が採れるような感じにしたいという要望でしたので、その部分をもっと分厚い印象にしたい、ということでした。
これでようやく形がまとまりました。今回は収納を重視するというよりも、見せて使うキッチンと言う印象になりそうです。
ご主人がこれからパスタを作ってくださるのです。
年が明けて、1月の下旬頃にようやくお引き渡しが終わり、工事が始まりました。
今回内装を担当してくださるのは、OKUTAさん。
監督さんが現場にいらっしゃる日にあらためて現場で打ち合わせです。
「イマイさん、今回のこの場所なのですがもともとリビングと言うよりはバルコニーのようになっていた部分のようで、前に住んでいた方が増築されているのですね。それで、1階をご覧になって頂いた時に見て頂いたかと思いますが、このリビングだけ張り出している形になっているので、この場所の床が少し歪んでいるのです。」
なるほど・・。
「それで、キッチンを据える時に、もしかしたら、と言うかおそらくキッチンの右と左で高さが大きく変わりそうなのです・・。」
おぉ、なるほど・・。
「そこで、キッチンの足元で高さを調整して頂くことは可能でしょうか。」
とちょっと大変そうなご相談。
「分かりました。設置の時にどうにか調整しながらやってみたいと思います。」
と、シンプルにキッチンを据えるだけで考えていたので、ちょっとした不安要素ができてしまいました。
以前にも、戸建てをリフォーム去れるというお客様のキッチンを作らせて頂いた時に、やはり床が歪んでいて、床の歪みを調整しながら大工さんが新たに床を貼って行くのは、調整が大変だったり、床なりの原因になったりと難しい部分があるということで、キッチン側で調整したことがあったのです。
最近作る私たちのキッチンは、箱状になっていても足が床についているタイプが多いのです。(ちょっと説明しづらい部分ですね。)先に一番下の部分(台輪部分)で床のレベルを調整して、その上に箱を載せる、と言う方法が採りにくいのです。その時は床の歪みに合わせて調整したのですが、大変苦労した覚えがあります。
今回もちょっと大変そうだな・・。
幅1000mm、長さ2780mmと言うキッチンだと、ワークスペースも広々で、お子さんが座ってここでご飯を食べても余裕があります。
そして、OKUTAさんから声が掛かる前に製作を完了させて、いよいよ取付です。
まずは、搬入。
このOさんが手に入れた家は、元々1階にキッチンがあったのですが、それを2階に移すのです。ちょっと昔ながらの家なので、階段が急でさらに狭いのです。今の住宅の階段の幅も3/4くらいしかない。
でも幸いなことで階段がぐるりと折れ曲がっていなくて、そのまま真っ直ぐに2階へ上がれます。
天板はこのまま階段から搬入できるかな・・。
今回の天板は厚み11mmに見せるうすい天板なので、その裏にさらに厚めに合板で裏打ちしていても、屋外からロープで吊り上げるのはちょっと心配。
まずはやってみよう・・。と始めましたら、どうにか搬入できました。良かった。
その下のキャビネットは、細かく分けているので、問題なく搬入完了。
そして床は・・、と心配していたのですが、大工さんがきれいに床のレベルを調整して水平面を出してくれていました。良かった、よかった。
レンジフードは、アリアフィーナのセンターフェデリカ(アイランド用天井付けタイプ)。色はステンレスではなくブラックにしています。
こうして無事に設置は完了して、あとは少し後から納入されてくる食器洗浄機を取り付ければ完了。
「おはようございます。Oです。
昨日は搬入ありがとうございました。
さっそく夜に、夫も駆けつけ、みんなで見てきました!やはり、すごい存在感!完全に部屋の主役です。
引き出しや、ステンレスバイブレーションの仕上がりなど見たかったのですが、がっちりガードされて養生はうまく取れず(涙)、断念しました。。
しかし帰ってからブログを見てみたら、写真がアップされていたので、素敵~とホクホクしています。
しかも階段から搬入できたとのことで、良かったです。
食洗機が入らないとやはり物足りなさはありますが、完成がますます楽しみになってきました!」
そして後日。食器洗浄機を設置してこれで工事が完了です。
ここに立つお二人のステージのようなキッチンに仕上がりましたね。私が写真を撮っているこの位置がダイニングスペースになるのですが、このキッチンの前が大きなリビングなので、お料理する姿がよく映えるのです。
お引き渡しの時は残念ながら、都合が合わなくてお会いすることができなかったのですが、お引っ越し後にあらためてアキコと二人でお邪魔させて頂きました。
そして、いろいろなお話を聞きながらご主人がパスタを作ってくださって、ご説明に伺ったのに反対にもてなして頂いてしまって・・、ありがとうございます。
聞くとご主人が大手服飾ブランドで販売から始めて今はマネージャーの仕事をされているのだそう。
だから、お話が上手で人の良いところを引き出すのが上手なのですね。
キッチンからお仕事のお話までいろいろと勉強にさせて頂きます。
また次回、食器棚を作らせて頂けるということでとても楽しみにしております。
ありがとうございました。
「こんばんは。Oです。
本日は、遠いところを早い時間から来ていただき、ありがとうございました!
長時間引き留めてしまってすみません。。
夫も言っていましたが、キッチンについてあんなに話ができるのはイマイさんぐらいです!(笑)
いろいろな悩みや使いやすいポイントなどたくさんお話ができてうれしかったです。
さっそく、Instagramもフォローしてブログも拝見しました。
写真も希望通り良い感じに撮っていただいて感謝です。
また、このページを使って広報活動に励みたいと思います。(笑)」
キッチン仕上
天板 |
ステンレスバイブレーション |
扉・前板 |
ナラ板目突板練り付け |
本体外側 |
ナラ板目突板練り付け |
本体内側 |
ポリエステル化粧板「ホワイト」 |
塗装 |
オイル塗装仕上げ |
ナラ板目材とステンレスバイブレーションのオーダーキッチン
価格:1,100,000円(制作費・塗装費、設備機器は別途)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は30,000円から、取付施工費は95,000円から)
2016.08.25
「ナラ板目材とステンレスバイブレーションのオーダーキッチン」
綱島 Z様
design:内田雄介設計室
planning:内田雄介設計室/daisuke imai
producer:yasukazu kanai
painting:Zさん
客間から眺めた時のキッチン。
お勝手口からキッチンを眺めた様子。
Zさんからキッチンカタログを希望されるメールを頂きました。そこには、「空間イメージを固める上でインテリア・家具のテイストから考えてみるのも有効ですと建築家の内田さんにアドバイス頂きました。ホームページで紹介されているオーダー家具を見て私たちのイメージに近いかもと感じています。直に見学できる家具、またはイベント等があればご連絡頂きたいです。」と言うお便りが書かれていたのです。
アイランドキッチンのスケッチ。
コンロ側キッチンのスケッチ。
細長い通路のような部屋から見たキッチン。浮いているように見えますね。
内田さんといえば、アトリエを備えたご自宅を新築される際に作らせて頂いたキッチンとバックカウンターがとても印象的で、あのあと多くのお客様から好評いただいていたのをふと思い出しました。きっと魅力的な空間になるだろうから、またお手伝いさせて頂けるとうれしいなあ。
カタログをお送りしてしましてしばらくしました頃に、一度こちらにキッチンを見にいらして下さったのだそうです。タイミングが合わず、私は不在の時でしたので、詳しくいろいろなお話を聞かせて頂くことはできなかったのですが、私たちのことととても気に入ってくださったのでした。
洗剤ポケット。
カウンタートップの印象。ステンレスバイブレーション仕上げは、ヘアライン仕上げよりもマットな印象で、鈍く光るのが特長。
今回は、水切りプレートも作らせて頂きました。水切りプレートを置いた時にカウンタートップとフラットになるようにシンクに段がついています。
その頃、内田さんからも連絡が入ってきました。
「早速ですが、施主の方から相談させていただいているかと存じますが、現在私の方で設計を行っている横浜市綱島の物件についてご連絡致しました。
現在、鵠沼海岸に住んでいる施主のZ様は、私の大学時代からの友人でもあります。
今回、綱島のご実家の全面改装の依頼を受け基本設計を進めておりました。
我が家のキッチンや、今井さんのHPの制作例を大変気に入ってくれ、また私としても今回の住まいにおいても是非とも今井さんにお願いできればと思い、紹介させていただいた次第です。
現在、私の方は実施設計に取りかかっている最中です。
キッチンの方もより詳細な打ち合わせが必要になってくるかと存じます。よろしければ今後は私も打ち合わせに参加させて頂ければと思っております。
また、ご一緒に仕事が出来るのを楽しみにしております。」
楽しみです。
シンク前の収納部分の様子。
ミーレの幅60cmタイプの食器洗浄機を導入。
食器洗浄機の巾木部分だけ、取り外せるようにしないといけなかったので、このような納まりにしています。
それから、またしばらく経った頃、Zさんからのお便りが届きました。お待ちしておりました。
「以前カタログを頂戴しショールーム見学させて頂きました。イマイ様には会えずですが、ご作品を拝見しとても気に入っており、キッチン製作をお願いしたいと考えておりました。
建築家の内田さんとプランを練り、いよいよ実施設計の段階までこぎ着けてました。
またキッチンは床をモルタルで考えており、アイランドのカウンターをイメージ写真のように浮き上がった家具のように見せたいです。立ち上がりをモルタルで15cm程度上がらせてから濃い色系の木の側面があり、天板に人工石など・・。
詳細は打ち合わせの時にお話させて下さい。
今井様にもキッチン設計と製作をお願いしたいので打ち合わせの日取りをご調整お願いします。
我々の希望は来週以降の祝日、週末で予定は空けておりますが、、実は妻が臨月に入っております。出来ることなら産前に妻のイメージを本人からお伝え出来たらと考えています。直近で打ち合わせ可能な日を教えてください。
まずは日程のご連絡お待ちしております。」
シンク前の大きな引き出しを開けると、ゴミ箱が入るような引き出しにしています。
と、うれしいご連絡を頂いたのでした。
場所はここから近く、うさぎパンさんの家の近くです。さっそくお邪魔させて頂き、詳しいお話をお聞きすることになりました。
今お住まいの賃貸住宅はかなり小さな間取り。ご新居とは大きな間取りや広さも変わるので空間的なことは把握しづらいので、まずは図面を見ながら現在希望されている使い方や、実際に今キッチンを使っている様子などをお聞きしながら打ち合わせさせて頂きます。
最初にZさんが希望されていたイメージは、前述にもありますように浮いているアイランドキッチン。浮いているように見せるのに床材と同じような材でキッチンの巾木を作って、濃い色の箱がその上にドン、と座っている印象。
参考となるキッチンの写真を見せて頂きましたが、濃い色に着色したオーク材の少しグロス掛かった光沢がある塗装に、天然石なのか人工石なのか、表面がゴツゴツした火山岩のような印象で、なかなかリゾートホテルのようなちょっとキラッとした感じです。(表面がピカピカしているのではなく、何となくキラッとしている感じ。)
コンロ側の様子1。
なるほど。キッチンはこのイメージだと内田さんの考えている空間はどのような感じなのかな。
何となく、内田さんのご自宅とはまた違うテイストでしたので悩ましい想いで考えます。
でもその後、さらに詳しくお話を聞いて私たち太作った皆さんのキッチンを見て頂くと、それほどラグジュアリーな感じではなく、もっと自然な印象のキッチンをイメージされていることが分かってきたのです。
その印象でしたら、私の思いが伝えやすい印象でもありますので、より具体的な提案や確認をして、形を一つにまとめていきました。
コンロ側の様子2。
おおよその形がまとまりましたら、今度は内田さんが私たちのところまで来て下さいました。
久しぶりにお会いするのですが、内田さんの柔らかな印象はいつものままでした。
ここで、どんなキッチンを考えているかを報告させて頂き、さらに内田さんからここがどんな空間になるのかをお知らせ頂き、ようやく一つの方向にまとまりました。
すごく魅力的なマンションなので、どんな風に仕上がるのかが楽しみです。
吊戸棚のバランスは、Zさんの提案で上部を開けるところと閉じるところをうまく組み合わせています。また、レンジフードはなるべく出っ張らないように吊戸棚と奥行を揃えたDoubleのレンジフードを導入しています。
それから、いよいよ解体が始まり大工工事が始まりました。
現場で給排水管の位置出しなどを兼ねた打合せをするということで、その変わったマンションにはいじめて伺わせて頂きました。
場所は綱島で、駅から数分のところなので、人通りもそれなりに多いのですが、このあたりは軒並みが古く、その中のひとつがZさんのマンションでした。
築40年と言っていたでしょうか・・。
今よく見かけるマンションと違って、コンクリートでできた巨大な一戸建て、のような印象です。
軒先には、鉢植えがたくさん並び、ガラスがはまった古い框扉は常に開いたままで、1フロアに3世帯で3階建てのこじんまりしたマンション。その最上階で、屋根のように部屋がベロンと延びたところがZさんのご新居となる現場でした。
あの延びた場所は何だろう・・。
吊戸棚の下には、薄型のLEDダウンライトを組み込みました。
エレベーターはないのですが、広い階段があり搬入も大丈夫なことを確認しながら部屋に辿り着きます。私が済んでいた団地についていたような古い鉄扉を叩いてはいると、ほぼスケルトン状態になった空間が現れました。
もうすでにZさんと内田さんと工務店さんが打ち合わせをされていました。ふと見ると先ほどの長い通路のようなところは部屋でした。
幅1間半くらいで、長さが10メートルくらいはあるのでしょうか。ものすごい遠近感で、はるか彼方につき当りの掃き出し窓が見えます。
おぉ、不思議な間取り、不思議な間取り。
その通路のようなスペースの反対にも部屋があり、キッチンは玄関を入ってすぐの広間に据えられる予定です。まるでスタジオのような印象になるのでしょうか。
さっそくキッチンの設置寸法や配管の位置や電気の位置などを確認して、製作に入れるように細かい部分を決めていきます。
製作自体は、もう少し現場の様子が見えてきてからあらためて採寸をする必要があるのですが、決められる部分は決めてようやくほぼプランがまとまりました。
それから、大工さんが壁の造作が終わるころにあらためて現地を確認させて頂き、いよいよ製作に入ります。
建築士の内田雄介さん。
今回は、「フレキシブルボード」という、通常は不燃性を持たせるべき部分に貼る下地材を仕上げ材として巾木に使います。もちろん木よりも硬いので、きれいに作れるかがやってみないと分からない部分があります。さらにはキッチンを床から20cmほど浮かせて見せる部分と食器洗浄機の納まりがきちんと行くかどうかもある程度形になってみないと見えない部分もあります。
さらには、この部屋が最上階ということで、屋上の水はけをよくするための水勾配がキッチンの天井面に現れてしまっていました。(右と左で天井高さが違うのです。)そのあたりをどう吸収するか、レンジフードもそれに合わせて加工できるものなのか、いろいろな課題がありますがすべては始めてみないと見えない部分です。
製作を進めるのです。
その中でも一番心配だったのは、レンジフード。おそらくメカの部分は問題なく納まるのですが、ダクトカバーがきれいに納まるかどうか・・。
あらかじめZさんにもその点を了承頂き、カバーを一度解体して、部分的にカットし、加工してから再組立てします。
こういうことがレンジフードの説明書を見るだけである程度できるかどうか判断可能ならもう少し不安要素は減るのですが、説明書だけだと細かい寸法が出ていなかったりするので、Zさんに現物を購入してもらった跡にこちらに送ってもらい、実測しながら検討したのでした。こういうのはオーダーじゃないと難しい部分でもあります。
うまく梁型に合わせて加工もできまして、ダクトもつなげることができてひと安心。
そのほかの部分は、細かいだけに時間はかかりましたが、無事に設置完了。
シンク側の引き出しの様子、その1。
シンク側の引き出しの様子、その2。
アイランドキッチンの玄関側から見た扉の感じ。
コンロ側の引き出しの様子、その1。
コンロ側の引き出しの様子、その2。
コンロ側の引き出しの様子、その3。コンロ横の調味料用の引き出し。
コンロ側の引き出しの様子、その4。コンロ下のスライドワイヤーシェルフ。
それから、全体の工事も無事に終わって、お引き渡しも内田さんにお願いできることになり無事に済ませたのですが、その後なかなかZさんにお会いする機会がなかったのですが、その間に内田さんがご自宅の時と同じくあるコンテストに参加されていたのだそうで、ある日、「イマイさん、実は先日製作してくださったZさんのプランがコンテストに入賞しまして、イマイさんもその表彰式にぜひメーカーとして出席して頂けませんか。」と言われたのです。
「えっ!」
それからはバタバタと、アキコも一緒に(一人だと心細いので・・。)行くことになり、内田さんも奥様と一緒に出席されて、Zさんとも本当に久しぶりにお会いすることができて、それから無事めでたく、リネアタラーラさんが主宰する「オーダーキッチングランプリSHOW 2016」の表彰式が表参道のミーレさんのショールームで行なわれて、内田さんのプランが「モダンリビング賞」というすてきな賞を頂くことができたのでした。
「オーダーキッチングランプリSHOW 2016」
http://linea-talara.com/2016-fantastic-kitchen-competition-award/
今まで家具作りにおいても、キッチン作りにおいても、このように公に評価して頂く機会ってなかったものですから、このような場に立てることがとてもうれしく、同じ製作者の立場であるリネアタラーラの社長さんにもとてもありがたいお言葉を頂き、お話ししたかった作家さんとも知り合うきっかけができたりと、それはもううれしい日だったのです。
内田さん、Zさん、ありがとうございました。
キッチン仕上
天板 |
ステンレスバイブレーション |
扉・前板 |
ナラ板目突板練り付け |
本体外側 |
ナラ板目突板練り付け |
本体内側 |
ポリエステル化粧板「ホワイト」 |
塗装 |
ワトコオイル塗装仕上げ(Zさんが施工) |
ナラ板目材とステンレスバイブレーションのオーダーキッチン
費用につきましては、お問い合わせくださいませ。
2016.08.24
先日、刊行されたRoute SHONAN Vol.7には、先日お邪魔した鵠沼でお料理教室を開いているアンドマンドさんのキッチンを掲載させて頂きました。
もっといろいろな人に知ってもらえたら良いなと言う思いで、Routeさんには年間を通して6回私たちを表現する場所を作ってもらっています。湘南地域では、私たちのキッチンを思いっきり使った教室を開かれている方が、ほかにもいらっしゃいます。そういう皆さんにスポットを当てて、Routeさんに紹介してもらおうかな、と思っております。
次回の10月は、辻堂で有名なあの方のキッチンを予定しています。
2016.08.19
私は結局、今日初めてご主人とお会いしたのでした。
「いやいや、イマイさん。このたびは大変お世話になりました。」と快活な声。
打ち合わせから納品まで奥さんとやり取りしていたので、ご主人とお会いするのが楽しみだったのです。
でも、奥さんから、「facebookでイマイさんをよく見ているようで、私よりもイマイさんのこと詳しいんですよ。」と言うすてきなお話を聞いていましたので、初めて会うのに初めてじゃない気がしますね。
「私はもともとそれほどインテリアや家具に興味はなかったのですが、結婚して家のことを考え始めたら、だんだんと気になりだしてしまって。」と言って、以前にオーダーされたというチークのオーディオボードやBC工房さんの椅子、PFSさんのソファなどいろいろと見せて頂きました。
「イマイさんの家具はね、何と言うかアメリカよりはドイツっぽいんです。もちろん手の跡が残る形なのですが、ピシッとしていて、手作り感だけじゃない美しさがあるっ!」
おぉ、そんなうれしい言葉、初めて言われました。照れますね。
と、ご主人のお話が大きく盛り上がっているところで、奥様がしんみりとひと言。
「私この家具の中で一番気にっているのはここなんです。」
そう教えてくれたのは、本が並ぶスペース。
ここはもともとちょっとした書き物とかができるようにと考えたデスクのようなスペース。まだハイチェアを用意していないということもあって、奥様のこのようにアレンジして使っていらっしゃいました。
もともとの使い方と違って、自分で使いやすくして、それでいてとてもさりげないスペース。
オーダーするだけではなく、きちんと自分の家具になっている感覚。
その言葉にそういう美しさを教えてもらった気がします。
だから、今日ご主人tの奥様から頂いた言葉はとても大切な宝物です。
「またこんどゆっくりいらしてください。おいしいランチが食べられるところが近所にあるのです。」
それは楽しみ。
2016.08.19
いよいよキッチン本体の塗装が完了したということで、平成さんの加工場にカナイ君とナカガワ君、そして、独立して頑張っている村上君の3人で向かってもらいました。そう、今回の仕上げは、平成さんが仕上げてくださる拭き漆仕上げ。仕上がった部材を引き取ってそのまますぐ近くの現場で取付。
あとは、細かいパーツを機器設置後の寸法に合わせて製作して取り付けて終わりの予定。
表面の素材が何かは次回の作業後にまた次回ご紹介しますね。
フフッお楽しみに。
2016.08.12
これからお盆休みに入りますね、お休みの方もそうでない方もいらっしゃると思います。お疲れさまです。
私達は8月11日(木)~8月17日(水)の間、お休みをいただきます。
家具についてのご相談・お問い合わせ、カタログの請求、木製雑貨のご注文についてのメール・お電話等のお返事に関しましても、全て8月17日(水)から順次対応とさせていただきますので、どうぞご了承ください。
それでは、みなさまよろしくお願い致します。
2016.08.11
今から11年前にオーダーキッチン製作のきっかけを作ってくださった茅ヶ崎のKさんのご友人のKさんのうれしいお話と、
ずっと前から私たちのことを知ってくださっていたIさんとのお話と、
建築士の大和のKさんがきっかけで知り合うことができた工務店さんから頂いた和風な意匠のチェストの記事の3つのお話を掲載致しました。
よろしければご覧くださいませ。
2016.08.11
「ダイニングボードのオーダー」
鶴見 S様
design:daisuke imai
planning:daisuke imai
producer:tetsuya geshi
painting:masaru nakagawa
全景。格子と隙間の感覚は、建具のそれに合わせています。
ダイニングにちょうど良い戸棚がほしかったというSさん。でも何を入れるかはこの家具を見てから決めるのだそうです。
「イマイさんの家具を私自身気に入ってしまって、それで今リフォーム工事を進めているSさんのリビングにはぜひイマイさんの家具を置いてもらいたくて、そうSさんと話を進めているのです。」
ということで、リフォームが終わるころに一度Sさんのお宅にお邪魔させて頂いたのです。
久しぶりにお会いするフカボリさん。ご挨拶を終えると、Sさんに丁寧に私たちを紹介してくださいます。
「イマイさんの作る家具は本当に美しいですから。」とかなんとか。(笑)
うれしいなあ。
その場でフカボリさんと私とSさんとでどんな形で整えていくかを打ち合わせます。
日本家屋の趣は残したままのリフォームでしたので、そこかしこに格子の古い建具が残されています。
そこで辿り着いたのがこの形。格子の印象が美しく見えるように余計な形は省いて、横のラインとそれを止める両端の縦のラインだけの形。あまり陽射しが大きく入らないお部屋なので、材は暗くならないようにでも表情豊かにタモ材で。さらに脚をつけて軽い印象にして。
すてきな形にまとまりました。
「今度はお父さんに相談してテレビボードの考えようかしら。」
奥様がにこやかにそうおっしゃってくださいます。
フカボリさんは道が混んでいて納品には一足間に合わず。
でも、もうすぐここにあの明るい声が入ってきますね。
素敵なお仕事とすてきな時間をありがとうございました。
何をどうやって開けるのか、一見わからないような意匠でしょ。
扉も引き出しも押すと、スゥッと開くプッシュ式なのです。
タモの格子扉のあるリビングボード
費用につきましては、お問い合わせくださいませ。
2016.08.11
「チェリーとステンレスの食器棚のオーダー」
茅ヶ崎 I様
design:Iさん
planning:daisuke imai
producer:kouhei kobayashi
painting:kouhei kobayashi
「そして、写真ですか?私、写真は苦手なんです…なので後ろ姿にしてくださいね。」とIさん。
Iさんと初めてお会いしたのは私にとっては初めてだったのですが、Iさんにとっても初めてではありましたが、私のことはかなり前からご存じだったのだそうです。
まだ、私たちがオーダーキッチンの製作を始めて間もない頃、いまではうさぎパンさんの名前で知られるようになった鵠沼のTさんからキッチンの製作を依頼されたのでした。今から、8年前のお話です。
その時の工務店さんに勤めていたのがIさん。そして、その工務店さんのウェブサイトの製作を行なっていたのがOさん。
このOさんちょっと不思議な印象の方で、少年のような風貌なのにもういろんなことを考えている人で、以前はスピーカーの製作を依頼してくださって、それをご自身で販売したいというお話をされていたり、(たしか)自分でアパートを建てて経営していくのでそのための玄関ドアを作ってほしいということで、とてもシャビーなデザインのドアを作らせて頂いたこともありました。
その持ち前の性格からかいろんな人と通じ合っていて、IさんもOさんと話している中で私たちのことをさらによく知るようになったのだそうです。ご縁とは不思議です。
全景1。
全景2。
そのIさんからご相談頂いたのは食器棚でした。
この家に住みはじめてからずっと考えていた食器棚。
「今までどういう形にしたら良いか、工務店に勤めていたのにいながらもなかなかイメージがまとまらなかったのです。」ということだったのです。
形は思い浮かぶけれども、それが自分にとって使いやすいものかどうか、そこに確信が持てなかったので、それでこうして私たちを訪ねてくださったのでした。
できあがった形は写真を見て頂ければわかるようにシンプルな形ですが、ここに至るまではなかなか悩み多き食器棚でした。
今回の天板は、トップのみステンレスを貼って木口はアメリカンチェリーをそのまま見せる形にしました。
当初は、隠そうと考えていたゴミ箱。そのワゴン式のゴミ箱収納が使いやすいかどうかは人それぞれですが、私たちが作ると表面に化粧板を使って手入れをしやすくしますが内部はやはり木製なので、ワゴン自体がそれなりに重くなることが多いのです。
それに長年使っていると、キャスターのタイヤ痕が床に取りにくくなって付着した油膜と混ざって黒くスジになったりすることもあるし。またそういう弾力のあるゴムのタイヤは床に傷は作りにくいのですが、そのように痕がついたり、タイヤだと摩擦が大きくなるので、より出し入れがつかれちゃうこともある。それならタイヤが硬いジュラコンのものだとどうだろうと思うのですが、今度はかえって固い分床をキズにしやすいかもしれないし・・。
私たちが良く取り入れるキッチンのデザインのように、そして雑巾摺のように、背板をカウンタートップから少し立ち上げています。
では、専用で出ているアルミ製のゴミ箱ワゴンを活用しよう、と思うと、壁についているコンセントの高さの関係であきらめなければいけなかったりして・・。最終的にはゴミ箱をしまっていると汚れた手で開け閉めすること自体食器棚を汚してしまうのではないか、と思ったりして・・。ゴミ箱1つでもこれほど思いは巡り巡っちゃうのです。
そして、側面も立ち上げています。側面が立ち上がっているから、ここから冷蔵庫の隙間に物を落として取れなくなっちゃった、ってことが無くなりました。
でもね、オリジナルってそういうことだと思います。
家具だけに限ったことではなく、どこにどれだけの思いを寄せるかでいろいろな物事に対する感情も変わってきます。
家具でいえば、見た目の印象を時間を掛けて研ぎ澄ませたい人や、Iさんのように使い勝手を考えることで自分を見つめ直したい人など。
そうしてできあがった形はオリジナルです。
だから、「○○さんと同じ食器棚を作りたいです。」って言って、まったく同じになった人はいないし、同じように見えても気持の寄せ方が、人それぞれ大きく違うのです。
面白いね。
引き出しの様子、その1。
こうしてできあがった食器棚。長年使ってきた家具蔵さんのダイニングテーブルのような深い色にはまだなっておりませんが、次第に追いついて深いあめ色になっていくとき、もっともっとIさんらしい食器棚になっていることと思います。
またその時にこうして懐かしくお会いできるのを楽しみにしております。
引き出しの様子、その2。
「昨日はありがとうございました。食器棚とても素敵です。
木目もきれいで、今朝も眺めてはうっとりしてしまいました。
吊戸棚も付けて良かったです。
(食器棚がイメージ通りに出来なかったらどうしよう・・・)と心配していたのですが、びっくりなくらい素敵に仕上がっていました。
今度はリビングボードを!と思っていましたが、キッチンを入れ替えたくなりました(笑)
私はもちろんですが、主人も満足そうで良かったです。
私はあれこれ悩んでしまうたちで、イマイさんにはずいぶん長くお付き合いいただきました。
どうもありがとうございました。
それから、スタッフの皆様にもよろしくお伝えください。
本当にうれしく思っております。
ありがとうございました。」
スライドテーブルを1か所設けています。ここにはちょっと珍しくトースターだけがしまわれています。
そのトースターの下は、大きな引き出し。開けると、内引き出しが隠れています。ここはこのようにして使い勝手よりも見た目を優先させました。
いろいろ悩んだゴミ箱については、最後は岩谷マテリアルのkcud(クード)を使う形に落ち着きました。
こちらもつけるか付けないかで悩んだ吊戸棚。それほどしまうものも多くないし、でもあったほうが素敵だし・・。結果としてとても使いやすい戸棚になったのではないかと思います。
その吊戸棚の中身。
ステンレストップのアメリカンチェリーの食器棚
価格:470,000円(制作費・塗装費)
*運送搬入費・取付工事費が別に掛かります。
(目安として、運送搬入費は10,000円から、取付施工費は30,000円から)
2016.08.25
「クルミ板目材と人工大理石コーリアンのオーダーキッチン」
田園調布 G様
design:Gさん/シキナミカズヤ建築研究所
planning:Gさん//daisuke imai
producer:yasukazu kanai
painting:haraki tosou
リビングから見た時の印象、その1。この家は各階がスキップフロアになっているのが特徴で、このキッチンに立つと、半階下のリビングが見渡せるのです。
リビングから見た時の印象、その2。トップライトと勝手口のドアがあるので、かなり明るい場所になっています。
コーリアンラバロックはサンプルで見るともう少し光沢があったのですが、実際はこのくらい鈍く光っている程度。床のタイルともほどよくあっていて、派手になりすぎない色みがMさんらしい選び方だったのだと思います。
パントリーにゴソゴソ入り込んで取らせてもらった写真。ここから見るこのキッチンが一番迫力があって好きです。船みたいで。
以前に、「編む」「手ぶくろのような温かさ」の時にお世話になった担当者さんがいらっしゃいました。
何というか、格好良い空気があったのです。「編む」のHさんの時も、「手ぶくろ・・」のOさんの時も、私たちのショールームについて早々にソファに座って、棚に並んだ雑誌を眺めては、1冊ずつ読み始めたのです。お客様と私たちの打ち合わせは、お任せしましたよ。と言う感じが、まったく嫌らしくなくて、格好良かったのです。アキコが渡したコーヒーも「ああ、ありがとうね。」という、何気ない仕草が格好良くて、(ああ、こういうすらっとした人っているのだなあ。)と男ながら惚れ惚れと眺めていたのを思い出します。
その担当者さんであった小林さん。
そのあと間もなく、その工務店さんを出られて、一人で住宅のプロデュースをするお仕事を始められたのでした。
いまいち、プロデュースと言う立ち位置が私にははっきりと分からなかったのですが、「イマイさん、実は今度その私のお客様でイマイさんじゃないと作れないキッチンを希望されている方がいらっしゃるんですよ。」と久しぶりに声を掛けて頂いたのでした。
わあ、うれしいなあ。
シンクはステンレスバイブレーション仕上げでポケット付きのシンクです。私たちのキッチンはバックガードをつけることが少ないので、印象がすっきりとしています。
しばらくして、小林さんが奥様と一緒にそのお客様を連れていらっしゃいました。
いろいろとお話を聞くと、奥様がこの会社の代表となって、小林さんがそのフットワークを生かして、よい家を持ちたい、と言う方と作り手をつなぐ仕事をされているのだそうです。
今回も小林さんのお知り合いでもあるお客様がご新居を建てるにあたって、キッチンはもちろんオーダーで作りたい、となった時にまずはイマイさんに相談してみよう、と思ってくださったのだそうです。何しろ少し難しいキッチンになりそうでしたので。
そして、今回一緒にいらして下さったお客様は、外人さん。ドイツ出身のスラッと背の高い男性で、もちろん日本語を流暢にお話しくださいます。この日本ではある有名な家具メーカーの日本支社長さんでもある方でした。小林さんの人脈にも驚きましたし、そのような方が私たちのような小さな会社にキッチンの製作をゆだねてくださる(と言う言い方で良いのかな・・)ことも驚いたのです。
「えっ、私たちで良いのですか。」と思わず聞きそうになったくらいです。
シンクの下は引き出すとゴミ箱になっているのです。
「自分には物を作る力がないけれど、みなさん同士をうまくつなぐことが大切な仕事だと思っていて、そういう思いが通じたのかいろいろな方からお声掛け頂くんですよ。だから、良いものを作ってくださる人のところにその方をお連れするのが私の役目です。」と小林さん。
うれしい言葉です。
引き出しもすべて本体のカラーに合わせて、濃い目のグレーの化粧板で作りました。これがなかなか大変・・。
それで、さっそくお客様のMさんのイメージを具体化していきます。あるショールームで見たキッチンがとても気に入っていて、それを自分の家にスムーズに導入できるように自宅の空間に合わせて練り直すのが今回のお仕事でした。
Mさんの一番のご要望は、「ラフな印象」。ちょうどその頃目黒のKさんのキッチンを作っていたこともあって、そのキッチンを見に来て頂いたりしまして、イメージを固めていきます。あまりにラフな印象になりすぎるのは、帰って奥様の好みではなかったりして、でもデザインの主導権はMさんご主人にあったりして、いろいろと回り道しながら進んでいきます。
でも、大変苦労しただけあって、クルミとのコントラストが美しいのです。
「天板はゴツゴツした感じが良いのです。」
「ゴツゴツした感じとはどのような感じでしょうか。」砥石のサンプルをお見せすると、
「そうそう、この感じ。」と言って指示して下さったのは、サンプルの仕上がっていない裏の面。
「ああ、この感じよいですね。」と設計のシキナミさん。「Mさんらしいよね。」とコバヤシさんも。
うーん、これだとカットしたままの石だから、平面は出ていないし、シミだらけになっちゃうかな・・。と悩みます。
・・・あとあと、調べてみるとカウンターにはあまり向かないのですが、バーナー仕上げと言うのもあってこれだとゴツゴツした表情のまま仕上げられることが分かったり、あらためて石屋さんに相談すると、セラミックカウンターと言う当時はまだ耳なじみのない素材があったりしたのです。
でも、コストの面などを考えて、今回はコーリアンのラバロックと言うくすんだ柄で天板を作ることになったのです。
ガスコンロの下の引き出しの様子。
「扉や引き出しの正面材も希望するのはオークだですが、オークと言うのはどのような感じですか。」
「こちらがオーク(ナラ)になります。」とショールームのキッチンを見てもらうと、
「ちょっと表情がきれいすぎるかな・・。もう少し粗い素朴な感じだとどうでしょうか。」
そこで、目黒のKさんのキッチンを見てもらったのですが、あのくらいラフで木の動きも大きく出ているキッチンは帰って奥様から反対を受けそうだったりして、そんな中、打ち合わせで使っているクルミのテーブルを見て、「この感じ良いですね。」ということになったのです。
「このクルミでも木目をわざとバラバラにしてほしいのです。」
通常私たちが家具を作る場合は、木目をつなげてその流れの美しさを楽しむ作りにすることが多いです。そのほうが木の見た目の動きも実際の反りなども不自然ではない動きになることが多いので。でもMさん、パズルのようにバラツキを出したい、その具合はお任せします。ということになったのでした。
調味料、ボトル用の引き出しもグレーで、スライドレールは底につく普段は見えないタイプのソフトクローズレールなので、動きもきれいで見た目もきれい。
キッチン本体の仕上げについても、いつもは掃除をしやすいように内部だけ化粧板を使う形を採るのですが、今回は本体の箱部分に色の濃い化粧板を使って、扉などの正面材だけをクルミを使う形にしたい、ということになったのです。
今までになかった素材の選び方で、Mさん、とても勉強になりました。
ありがとうございました。
引き出しと側板の角の部分。そのうち掛けちゃう可能性がありますよ、と言うお話はしたのですが、トメにしてほしい、ということで、この納め方に。
そうしてできあがったキッチンは、細かい納まりなど大変な部分があって担当したカナイ君も大変苦労していましたし、ちょっと変わった立地で、搬入から設置も普段のキッチンよりも気を使う大変な作業だったのですが、こうして完成した姿を見ると、仕事に携われて良かったなあと思うわけです。
背面に貼られた抑えた色みで彩ったタイルも相まって、とても豊かな色の空間ができあがったのですから。
その後、たまたまその家具メーカーさんのお店に行く機会があって、スタッフさんとお話したのですが、Mさん、お引越しされてひと段落してから間もなく、スタッフの皆さんを招いてご自宅でパーティを開いてくださったのだそうです。
そのようなわけで「あのキッチンを作ったメーカーさんなのですね。とても素敵なキッチンでスタッフ皆で、すごいすごいって言っていたのです。」ときれいな女性スタッフさんに言われてしまうと、照れ笑いをしながら、あぁ、この仕事に携われてよかったなあと思ったのでした。
コンロ側キッチンの印象。
キッチン仕上
天板 |
人工大理石「デュポンコーリアン ラバロック」 |
扉・前板 |
クルミ板目無垢材 |
本体外側 |
カラーフィットポリエステル化粧板「グレー」 |
本体内側 |
カラーフィットポリエステル化粧板「グレー」 |
塗装 |
ウレタンクリア塗装つや消し仕上げ |
クルミ板目材と人工大理石コーリアンのオーダーキッチン
費用につきましては、お問い合わせくださいませ。
2016.08.11
今日は、以前に大きなリビング収納を作らせて頂いた藤沢のSさんから、新たにご相談頂いていた食器棚の取付にノガミ君と出掛けておりました。
上が施工前。下が施工後。こうした写真って昔よく見ましたね。
「こんなにきれいに生まれ変わるんです!」って。
それは新しくなったら、何でもきれいに映りますから目を引くかもしれません。
でも本当に知りたいことは、きれいになった姿だけではなくて、どうしてこの形になったのか、ここになるまでにどういうお話があったのかが知りたいって私は思うのです。
だから、前にも書いたかも知れませんが、書きますね。
Sさんにはそのリビングの家具を設置した後に、新たな相談を頂いていたのです。
Sさんの部屋の間取りは、キッチン、ダイニング、リビングがワンルームになっていて、そのリビングに少し背の高いベンチのような置き畳があるのです。この置き畳があるスペースがリビングで、テーブルがあるスペースがダイニングと何となく仕切られているのですが、「それをもっとはっきりと分けられるような間仕切りとなる家具がほしいのです。それから、いつもここで簡単な朝の支度をするのにお化粧道具などをこのワゴンに置いたままなので、きれいに整理できるようなものにもできたらいいなと思っているのです。」と、オーブントースターとお化粧道具などが混ざって置かれたワゴンを示してお話ししてくださいました。
「分かりました。」とさっそく詳しいお話をお聞きしたのですが、私の頭の中は間仕切りを作るイメージが浮かぶよりも、その奥に見えているブラインドが掛かった窓と、そのスチールのワゴンの組み合わせが気になっていたのでした。そして、私の座っているテーブルの後ろにある食器棚も。
「Sさん、この窓はいつもブラインドを閉めていらっしゃるのですか。」
Sさん、ちょっと寂しそうに、照れくさそうに微笑みながら、「ええ、ここに庭を作ったのは良かったのですが、向こうのアパートを出入りされる皆さんからこの部屋が丸見えになってしまうのです。庭をいじる時間も普段が忙しくてなかなか時間が取れないので、いつもブラインドを掛けているのです。」と言いながらブラインドを上げてくださいました。
芝があって、気持ちの良い庭が見えました。
「そうなのですね。これほどきれいなお庭なのに。
実は今、私はお話を聞いていて思ったのです。できればこの庭をいつも眺められるようにできたらいいなって。」
「・・?」とSさん。
「置き畳のそばに間仕切り収納を作るよりも、後ろの食器棚にもう少しものを整理してしまうことができるかも知れないって思うのです。」
Sさんのお婆ちゃんも奥さんも不思議そうに顔を見合わせます。
「このオーブントースターや細かいもの、そして、食器棚の前に並んでしまっているものを整理できる場所を作る方が、無理に間仕切り収納を作るよりも使いやすい収納になるのではないかと思っています。食器棚がきちんと整理できれば朝支度の道具をしまう場所もできてくると思います。そのあとに、お庭に手を加えていくというのはどうでしょうか。もちろん、庭いじりは私たちの仕事ではできないことがあるので、専門の方にお願いして、目隠しとなる衝立を立てたり、立ち木をうまく植えたりすることで、お向かいのアパートさんとうまく視線がずらせると思います。そうできれば、ブラインドを開けることができるし、そうなればブラインドの前にこうして細かいものを置いてしまうことも無くなるんじゃないかって思うのです。庭が見えればm「自然とここはダイニングとしてきちんと使うことができるように思えるのです。
そのあとに、どうしても間仕切りのようなものが必要ならまたお声掛け頂ければうれしいですし。」
「なるほど、イマイさん、面白いです。」
そういうお話のやり取りがあって、間仕切りを作る予定が食器棚の改装をすることになったのでした。
お話しするって面白いのです。
2016.08.10
鎌倉の魅力の一つに路地がありますが、今日はその入り組んだ路地の先にあるYさんのキッチンの設置工事でした。
鎌倉駅から大仏様に向かう通りの脇に車を寄せて荷下ろしをするのですが、きっと目の前のお店の邪魔になってしまうだろうなあ・・、と心配していたのですが、特にお叱りを受けることなく、スムーズに荷下ろしさせてもらえたのでした。ホゥ。
そこからは手運びです。車が現場の前に付けられないので細い路地を抜けていくのですが、この路地に入るとなかなか周りの視線が冷たかったりして焦ってしまうわけです。
そのようなわけであまり路上に置いておくわけにもいかず、運んだそばから屋内へと運び入れるのですが、今回のキッチンは3階。設置場所に辿り着くのも一苦労で、外壁沿いに建つ足場を使って、しぼれるくらいの冷や汗をかきながらキャビネットたちを手渡しで会場へ上げていきます。5人で来てよかった。ホゥ。
そうして、最後に一番心配していたL型のステンレスの天板の荷揚げ。Yさんの階段のプランが幸いして、この大きな天板が屋内から運べたのでした。ホゥ。
もうこれで、ひと安心。
あとは製作を担当したノガミ君にカナイ君が今回はサポートする側になって、ナカガワ君がその補助をして、作業を進めることに。
私とカイ君は、コバヤシ君が残って作業している工房まで一足先に戻ります。
ノガミ君、お願いしますね。
そして、夜8時過ぎに無事に戻ってきました。
「細かい作業が残ってしまいましたが、ほぼ形を決めてきました。」
ということで、まずは一安心。明日から3名のスタッフが夏季休暇に入り、休みをずらす私とノガミ君は藤沢のSさんのところまで取付工事。
何かご相談などがございましたら、18日以降にお伺いできますのでお願い致します。
または、メールでしたら毎日確認しておりますので、お気軽にどうぞ。
では、おやすみなさい。
2016.08.09
真夏の逗子でMさんのキッチンの取付工事を行なってきました。
まずはタイルが関わる親世帯の白いキッチンと、子世帯の食器棚。システムキッチンでよくみられるフロアコンテナ風に仕上げているのが特長の2台です。
暑いけれど、この小高い場所は気持ちの良い風が抜ける素敵な場所でした。
やっほぅ。
2016.08.09
今日は娘2人の料理教室「kissakocooking」へ。
時間が足りないことを理由に、見ていなくてもできる長女にばかり料理の手伝いを頼んでしまっていて、いつの間にか、日々の暮らしの中で、次女の中に「料理はお姉ちゃんでしょ。」という意識を作ってしまっていました。
夏休みの料理教室のメニューで、次女の好きな食べ物No.1のハンバーグを習えると聞き、参加してきました。
「包丁もちゃんと使えてるし、大丈夫ですね。」とSさんに言われ、なんだか私まで自信がつきました(笑)。
「美味しい~。」と持って帰ってきたハンバーグとマッシュポテトを食べて嬉しそうな娘2人。
これからはどんどん頼んで次女にもお手伝いしてもらおう!
kissakoさんのキッチンとテーブルは5年ほど前に作らせていただいたもの。
「不具合なく使えてます。」の言葉と、キッチンが大活躍している姿を見られるのはとても気持ちがいいものです。
また参加させてください、Sさん。ステキな機会をありがとうございました。
2016.08.06
平成建設さんからのお仕事で、仕上げ材としては珍しい材を使った珍しい仕上げでキッチンと背面収納を作らせて頂きました。
まずはその背面収納の取付です。
キッチンは連休明けですね。
2016.08.06
ここから少し距離が遠い大阪にお住いのKさんからご依頼頂いていたアイアンのテーブル。今回は少しクセのある表情が魅力のクルミ材を使って天板を作らせて頂きました。
大阪ということで、運送費を考えると私たちが運ぶよりも運送屋さんにお願いしたほうがコストを抑えることができるので、今回のやり取りは全てメールのみでのやり取りとなりました。
家具の実際の形も見られず、私の顔も確認することができず、おそらく依頼する側としていろいろと不安な部分は多かったのではないかと思います。
それでも、お願いしてくださったKさん、本当にありがとうございます。
いつかお会いできる時が来るのを楽しみにしております。
「昨日、無事にテーブルの納品が終了しました。
妻をはじめ、私、息子家族全員で喜んでおります。
この度は、手前どもが遠方の為にメールでのお打合せしかできなかったにもかかわらず素晴らしいテーブルを作成して頂き本当にありがとうございます。
余談ですが、早速息子がテーブルの上でトミカで遊び、見事な味入れをしてくれました。(笑)
上記の件は、別としてゆっくり大事に使っていきたいと思います。
本当に、ありがとうございました。
では、失礼致します。」
ありがとうございました。